水星の太陽面通過 2006年

2006年11月9日 撮影
水星の太陽面通過
(撮影:Panasonic LUMIX DMC-FZ7 + 2.2×テレコンバータ,ND400+ND8+ND8,F8.0 1/2000s ISO100)

水星は地球より内側(太陽側)を公転しているため、太陽と地球の間に入ったとき、まれに太陽面を横切って見えることがある。2006年(平成18年)11月9日朝、水星の太陽面通過(日面通過)を全国で見ることができた。

東京も快晴に恵まれた。デジカメで何とか写してみたものの、ピントが合っていない。
最初、マニュアルモードで無限遠にしたのだが、なぜかボケる。やむを得ず、オートフォーカスで撮影したのが、この写真。黒点(写真左下)の方が良く写っている。

水星の直径は 4,880 キロメートルで、地球の38%しかない。見かけの直径(視直径)は約10秒で、太陽の1,800分の1である。非常に小さい。
どのくらい小さな対象物まで識別できるかという能力(分解能)は、望遠鏡/望遠レンズの直径(口径)に比例する。理論上は
分解能 = 116秒 ÷ 口径(ミリメートル)
である。視直径10秒の水星を分離するには、少なくとも 11.6 ミリのレンズが必要ということだ。ただ、あくまで理論値なので、実際にはもっと大きな口径が必要となってくる。
したがって、コンパクトデジカメや小型双眼鏡のレンズでは、いくら倍率をあげたとしても水星を分離することはできない。
肉眼で見えるとするサイトもあるが、瞳径は最大で7ミリしかない。
そこで、口径60ミリのテレコンバーターを使えば十分だと考えたのだが、これほどピント合わせに苦しむとは思わなかった。望遠鏡で観測するときも、ピントが合いにくい対象物ではあるのだが‥‥。

日本で観測できる次回の水星の太陽面通過は、2032年(令和14年)11月13日である。

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(この項おわり)
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