柳川で川下りした後は名物せいろ蒸し

2014年10月18日 撮影
柳川で川下り
福岡県柳川市を網の目のようにめぐる水路(掘割)の総延長は930kmもある。
戦国時代の領主、蒲池鑑盛 (かまちあきもり) が柳川城の防御として開発し、関ヶ原の戦いで柳川に封じられた田中吉政 (たなかよしまさ) によって整備された。
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柳川で川下り
掘割をめぐる川下りは、複数の会社が営業しており、いずれもどんこ舟と呼ばれる喫水が極端に浅い船に乗り込む。船頭さんの竿さばきで、船はゆっくりと掘割を進む。約70分の船旅である。
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船頭さんが柳川にまつわる様々なエピソードを語ってくれたり、自慢の喉で歌ってくれ、都会の喧噪を離れ、充実した70分の船旅となった。
柳川で川下り
両岸には、しだれ柳が連なっている。

ヤナギの仲間はすべて雌雄異株で、シダレヤナギの雄株は枝が長く下垂し、長いものでは3メートルを超える。一方、雌株の方はあまり伸びず、せいぜい1メートルどまりである。
このように花を見なくても雌雄の別がよくわかるものを、雌雄二型という。
柳川で川下り
しだれ柳だけでなく、松などが植わっているところもある。

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柳川で川下り
コースの途中には水上売店がある。船頭さんが舟を横につけてくれるので、ドリンクやアイスを買おう。トイレもある。
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柳川で川下り
写真は柳川城堀水門。城の外堀・内堀に出入りできる水路は、この水門をおいて他にないという。径間2.6メートル、全長15.7メートル、高さ3.8メートルという狭い水門を、船頭さんは巧みに船を操りくぐり抜けてゆく。
石垣の加工精度は非常に高く、現在でも年に1回水門を閉じて、川底の掃除をするのに使っているとのこと。
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こちらは石橋。

堀割は、毎年1回、川底の日光消毒と清掃を兼ねて、堀の水をすべて抜く通称「水落ち」を行う。このため、運河にありがちな臭いはしない。
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柳川で川下り
堀割を整備した田中吉政 (たなかよしまさ) の銅像。

元は豊臣秀次の家老であったが、関ヶ原の戦いでは東軍に与し、石田三成を捕らえた。この勲功が認められ、筑後国柳川城32万石を与えられ、国持ち大名となった。
吉政は、掘割を整備することで水運や稲作のための用水路を整備し、近代的な街作りを敢行した。陸路や堤防も整備したほか、有明海の干拓も行った。

浄土系宗派の仏教徒だったが、キリスト教に対して寛容で、西洋の知識を積極的に取り込んだ。
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柳川で川下り
柳川は、詩人・北原白秋の聖地である。堀割の両岸には、白秋の詩碑が点在する。
造り酒屋であった白秋の生家は、1969年(昭和44年)に復元され、北原白秋記念館となっている。
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柳川で川下り
写真の蜘蛛手網は、有明海沿岸に古くから伝わる漁法で、網がちょうど川幅と同じ長さに作られており、一晩浸けておく。翌朝には魚やウナギが網の中に入っているという仕組みである。
この蜘蛛手網とその仕掛けは観光用で、実際には使われていないとのこと。
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柳川で川下り
柳川市立藤吉小学校――柳川城を意識した独特のデザインの校舎。
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柳川高等学校――ゴルフや野球、テニスの強豪校として知られており、プロテニスプレイヤーの松岡修造が編入したことでも有名。
柳川で川下り
三柱神社の松の木。
三柱神社は、「西国一の強者」と称された百戦錬磨の武将、初代柳川藩主・立花宗茂、岳父・戸次道雪、宗茂室・誾千代姫の三神を祀っている。

三柱神社の隣に、後述する立花氏庭園がある。

立花氏庭園

立花氏庭園 - 柳川で川下り
立花氏庭園(福岡県柳川市新外町1)は、江戸時代に藩主・立花家の別邸だった御花 (おはな) に、明治期に屋敷建物や庭園が造築されたものである。1978年(昭和53年)に西半分が国の名勝に指定され、2011年(平成23年)に残りが追加指定を受け、屋敷全域が「立花氏庭園」として国指定名勝となった。
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柳川で川下り
写真の西洋館は明治43年頃に完成したもので、この前庭と、掘割の水を引き入れた大広間南庭からなる、

とくに南庭は仙台の松島を模したものといわれ、松濤園の名称で親しまれている。
松濤園は城堀の水を引き入れた池泉を中心とし、池中には石組みによる小島が多く配され、池の周囲は約380本の古松により立体化されている。
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うなぎ屋本店

柳川で川下り
柳川で食事というとウナギが有名。写真はうなぎ屋本店(福岡県柳川市城隈町22-4)。

名物せいろ蒸しは、焼き飯にウナギが盛りつけられており、各店秘伝の焼き方や蒸し方、味付けで腕を競っている。鰻重とは異なりあっさりとした食感である。
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柳川 ウナギ 関連

交通アクセス

【鉄道】
  • 西鉄柳川駅からバスで15〜20分、タクシーで10分
【自動車】
  • 九州自動車道「みやま柳川I.C.」から、三橋瀬高バイパス(国道443号線)を経て30分
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出発地の最寄駅:

目的地:立花氏庭園

近隣の情報

(この項おわり)
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