出島のカピタン部屋

2016年3月17日 撮影
出島
出島(長崎県長崎市出島町6番1号)は、わが国が鎖国していた約200年間、日本で唯一開かれていた西洋貿易の窓口だった。
1636年(寛永13年)に築かれた扇形の人工島で、広さは約1.3ヘクタール。
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出島
2008年7月28日 写真:ままぱふぅ
島内には住居や料理部屋、蔵、番所など49棟もの建物があり、現在そのうちの25棟を復元させるための工事が進んでいる。2008年(平成20年)7月28日に訪問した時から、さらに復元工事が進んでいる。
松の木 - 出島
江戸時代の出島の図にも描かれている松の木。

当初、ポルトガル人が隔離されていたが、寛永16年に来航が禁止されたため、1641年(寛永18年)には平戸からオランダ商館が移された。以後、1859年(安政5年)にオランダ商館が閉鎖されるまでの218年間に渡り、日本で唯一、欧米への窓口の役割を果たした。
明治になり埋め立てが進み、1904年(明治37年)、その姿を消した。
松の木 - 出島の大きな写真大きな写真
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表門 - 出島
江戸時代には、対岸の江戸町側から表門橋を渡ると、この表門があり、ここに詰めていた探番 (さぐりばん) が出入りする人を改めていた。1990年(平成2年)に復元された。
表門 - 出島の大きな写真大きな写真
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旧出島神学校 - 出島
旧出島神学校は、1878年(明治11年)に建てられた、現存するわが国最古のキリスト教(プロテスタント)の神学校だ。

1階には料金所や出島売店・休憩室、2階には出島商館員(年間パスポートの購入者)が無料で利用できる会議室、出島の情報が詰まった図書室などからなる資料館となっている。
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カピタン部屋 - 出島
カピタン部屋は、オランダ商館長(カピタン)の事務所や住居として使用されていた出島で最も大きな建造物である。日本の役人や大名などが出島を訪れたときに接待にも使われていた。
2階には、クリスマスを祝ったとされる「阿蘭陀冬至 (おらんだとうじ) 」の様子が再現されている。
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カピタン部屋 - 出島
鎖国していた間、カピタン部屋は何度も建て替えられた。
1784年(天明4年)に建て替えられた際には、遊女がカピタン部屋で暮らしていたことがわかっている。天井にはシャンデリアが輝き、ガラス窓にカーテンが敷かれた西洋館だった。
カピタン部屋 - 出島の大きな写真大きな写真
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カピタン部屋 - 出島
はじめは日本人大工による洋風を取り入れた日本家屋であったカピタン部屋は、長い歳月を経て、幕末にはよりヨーロッパ風の豪華な建物へと変貌を遂げた。
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解体新書 - 出島
拝礼筆者蘭人部屋には蘭学にまつわる展示があり、杉田玄白が1774年(安永3年)に『ターヘル・アナトミア』を翻訳出版した『解体新書』があった。
解体新書 - 出島の大きな写真大きな写真
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交通アクセス

【鉄道】
  • 長崎駅前から路面電車「正覚寺下行き」に乗り、「出島」下車、徒歩すぐ。
【バス】
  • 長崎駅南口から「新地ターミナル行き」に乗り、「長崎新地ターミナル」下車、徒歩過ぎ。
  • 長崎駅前から「らんらんバス」で「長崎新地ターミナル」下車、徒歩過ぎ。
【自動車】
  • 長崎自動車道「長崎IC」で降り、ながさき出島道路経由で約1分。

近隣の情報

参考書籍

表紙 世界史の中の出島―日欧通交史上長崎の果たした役割
著者 森岡美子/金井円
出版社 長崎文献社
サイズ 単行本
発売日 2005年09月
価格 1,760円(税込)
ISBN 9784888510899
 
表紙 出島の医学―出島を舞台とした近代医学と科学の歴史ドラマ
著者 相川忠臣
出版社 長崎文献社
サイズ 単行本
発売日 2012年03月
価格 2,860円(税込)
ISBN 9784888511797
 
表紙 オランダ風説書―「鎖国」日本に語られた「世界」
著者 松方冬子
出版社 中央公論新社
サイズ 新書
発売日 2010年03月
価格 814円(税込)
ISBN 9784121020475
日本人の海外渡航を禁じた江戸幕府にとって、オランダ風説書は最新の世界情勢を知るほぼ唯一の情報源だった。幕府はキリスト教禁令徹底のため、後には迫り来る「西洋近代」に立ち向かうために情報を求め、オランダ人は貿易上の競争相手を蹴落すためにそれに応えた。激動の世界の中で、双方の思惑が交錯し、商館長と通詞が苦闘する。長崎出島を舞台に、「鎖国」の200年間、毎年続けられた世界情報の提供の実態に迫る。
 
表紙 出島―異文化交流の舞台
著者 片桐一男
出版社 集英社
サイズ 新書
発売日 2000年10月
価格 770円(税込)
ISBN 9784087200584
一六三六年、長崎湾中に人工の築島・出島が造成された。キリスト教の禁圧と貿易の継続のため、ポルトガル商人を一カ所に集中させるために。だが島原の乱後、彼らを追放。オランダ商館を移転させた。以後二〇〇年余、出島を舞台に日蘭交流が始まった。本書は一九世紀初頭の出島を通じて、海外交流のシステムとその実態を追求する。
 
出島 関連

参考サイト

(この項おわり)
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