北方文化博物館(新潟県新潟市江南区沢海2丁目15-25)は、江戸時代から戦前にかけて豪農だった伊藤家が、戦後の農地改革を受け、その大邸宅を私立博物館としたもの。1946年(昭和21年)、財団法人北方文化博物館が創設され、一般公開が始まった。
大きな写真
(2560×1707 ピクセル, 2213 Kbyte)
2000年(平成12年)4月、主屋をはじめとする明治時代の主要建造物26件が、国の登録有形文化財に登録された。
1882年(明治15年)から8年がかりで建てられたこれらの建物は、敷地8,800坪(29,100m2)、建坪1,200坪(3,967m2)にも及ぶ。
1882年(明治15年)から8年がかりで建てられたこれらの建物は、敷地8,800坪(29,100m2)、建坪1,200坪(3,967m2)にも及ぶ。
座敷を囲む廊下は、柱が1本もの無い釣欄干工法で作られており、その眺望を邪魔しないようになっている。
庭園内には5つの茶室が点在し、鎌倉・室町時代の趣のある回遊式庭園となっている。
庭園内には5つの茶室が点在し、鎌倉・室町時代の趣のある回遊式庭園となっている。
三楽とは、孟子による「君子の三つの楽しみ」という考え方に由来する。六代目・伊藤文吉が21歳で自ら設計し、1891年(明治24年)に完成。正三角形11坪の数寄屋風書院で、水屋もあり、茶室としても使用される。
1つだけある円窓では、六代当主が瞑想を行ったとされている。
園内にある電話ボックスも、三楽亭を真似て作られている。
何気なく架かっている書「山花水鳥皆知己」は、維新の三傑の一人、桂小五郎(木戸考允)の手になるものだという。
主屋にある大きな振り子時計は、明治末期のもの。現在も正しい時刻を刻み続けている。
往時には50人の従業員が働いており、台所では毎朝、1俵(60kg)の米を炊いていたという。台所だけで70坪もの広さがある。
主屋には、会津から切り出して運ばれた全長30メートルにもなる天然絞りの杉を使っている。
GHQの民間情報教育部門(CIE)の長として着任したラルフ・E・ライト中尉が伊藤家を調査に訪れた際、七代目・伊藤文吉が母校ペンシルバニア大学の先輩とわかり交流を深めた。ライト中尉は伊藤邸を価値ある文化遺産と位置付け、北方文化博物館の創立を支援した。
五代目・伊藤文吉が手植えしたとされる樹齢350年の赤松が松枯れした際、松と先祖の供養のため、八代当主が松の下部を繰り抜き祠とし、その松で大日如来立像を彫り建立した。
1901年(明治34年)に造られた、米3,000俵を備蓄していた米蔵は集古館として、中国・韓国の陶磁器や日本の古美術など、伊藤家のコレクションを展示している。
五代目・伊藤文吉のところへキイが嫁入りする際に使った駕籠。花嫁行列や50人にも及び、披露宴は8日間にわたって続いたという。
1756年(宝暦6年)、初代・文吉は、13,000m2の畑を与えられて百姓として分家した。商売や倉庫業にも乗り出し、二代目は苗字帯刀を許され、伊藤文吉を名乗った。
八代目・伊藤文吉は2016年(平成28年)10月25日、89歳で死去した。現在、九代目は発表されていない。
交通アクセス
【鉄道】
- JR新潟駅から車で25分。無料シャトルバス運行。
- JR信越本線「新津駅」から車で10分
近隣の情報
- 北方文化博物館は豪農伊藤家の大邸宅:ぱふぅ家のホームページ
- 新潟せんべい王国は、ばかうけの栗山米菓が運営:ぱふぅ家のホームページ
- 新潟ふるさと村で旬の食材を仕入れ、歴史を学ぶ:ぱふぅ家のホームページ
- 江戸時代の古町に思いはせ(2023年3月3日)
- ゲゲゲ大集合、水木しげるの妖怪天国(2021年7月22日)
- 加茂川を舞うこいのぼり(2021年5月5日)
- 「人気絵本のひみつ展」絵本作家の世界観伝える(2019年9月3日)
- 阿賀野川河口の「砂州」に巨大なサケの地上絵(2019年2月3日)
- 街にイルミネーション、支える人の思いは(2018年12月18日)
- ミニSL出発進行!にいつ鉄道まつり(2018年10月12日)
- ジブリ作画監督・近藤さん作品展(2018年7月9日)
- パイプオルガンの内部に迫る(2018年1月31日)
- お化けに扮しハッピーハロウィン!(2017年11月3日)
- 夏山開きへ白山に物資空輸(2017年6月12日)
- スマホ片手にクイズのポイント競う(2016年9月28日)
- 巨大カボチャ並ぶ(2016年9月9日)
- 徳川家の名宝が一堂に(2016年8月1日)
- 京都・醍醐寺展、1万人が入場(2015年10月10日)
- 「ムーミン」作者に理解深め 28日から「トーベ・ヤンソン展」(2015年2月28日)
- プラネタリウム 新番組で心温か(2014年12月22日)
- 「きかんしゃトーマス」展にぎわう(2014年3月25日)
(この項おわり)