メタボリックシンドローム 2014年版

2014年10月7日 更新

国際学会「MSDA」が日本で初開催

2014年(平成26年)9月、メタボリックシンドロームや2型糖尿病、動脈硬化に関する国際学会「MSDA」(metabolic Syndrome, Type 2 Diabetes and Athetosclerosis Congress)が京都で開催されました。
日本で初の開催となった今回、名誉会長の一人として、内臓脂肪蓄積と生活習慣病との関連からメタボリックシンドロームの概念を提唱した松澤佑次 (まつざわゆうじ) ・住友病院長(国際動脈硬化学会次期理事長)が運営に参加しました。
また、欧米諸国のほか、生活習慣病が深刻になりつつある中国、ブラジルなどから約500人の研究者が参加しました。
松澤氏は「メタボの概念が生まれた日本での開催は大きな意義を持つ。メタボ、糖尿病、動脈硬化の3分野にまたがるテーマで、そのメカニズムや、予防・治療に関する最新研究について各国の研究者が認識を共有できたことは収穫だ。生活習慣病を予防するという世界共通の取り組みに寄与することだろう」と語りました。

以前は、体についた脂肪は過剰なエネルギーの貯蔵庫のような存在とみなされていましたが、松澤氏が大阪大学時代に内臓脂肪と皮下脂肪は異なる性質であり、内臓脂肪を減らすと血管保護作用のあるアディポネクチンという善玉ホルモンが増えることを発表しました。内臓脂肪型の肥満は肥満にとどまらず、各種の生活習慣病に直結するということが証明されました。
この研究がきっかけとなり、内臓脂肪の面積が100cm2平方センチに相当する数値として腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上などのメタボ診断基準が作られ、6年前から腹囲測定などが盛り込まれた特定健診・保健指導が実施されるようになりました。

ただ、この基準はあくまで日本人の体格や体質を考慮したものです。シンポジウムでは滋賀医科大の前川聡教授から、日本を含むアジア人はそれほど太っていなくても内臓脂肪が蓄積しやすく、BMI(体格指数)の数値がそれほど高くなくても注意すべきだという発表もありました。

スイーツは「昼」より「3時」

スイーツは「昼」より「3時」
スイーツは、昼食時に続けて食べるより、午後3時台に食べた方がメタボリックシンドロームや糖尿病になりにくいとされる研究結果が発表されました。
現在の糖尿病の食事療法では、間食は食事に続けて食べるよう指導されている。今回の発表でも、会場の医師から「菓子を食べるなら食事と一緒のときの方が良いと患者さんに指導していたが」と、驚きの声が上がったといいます。
産経新聞,2014年6月10日より

日本人の食事摂取基準

厚生労働省は、健康を保つ食事量の目安となる「日本人の食事摂取基準(2015年版)」を発表しました。

食事摂取基準は5年ごとに改定されています。
参考として示した必要カロリー数は、18~49歳の男性の場合、1日当たり2,650キロ・カロリーで前回と変わりはありませんが、食事による摂取量や、運動による消費量の把握は困難だとして、体格指数を見て調整することを勧めています。

年齢:
身長:センチメートル
体重:キログラム

体格指数(BMI)=

(この項おわり)
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