企業在人 成業在天

安藤百福

発言者

  安藤百福 (あんどう・ももふく) 安藤百福
  日清食品の創業者、会長
   
  2007年1月4日

場面

日清食品の2007年(平成19年)の年頭所感で。この直後、1月5日に96歳で永眠した。
安藤氏とは、「企業在人 成業在天」について「業を企てるのは人であるが、一方で、業を成すは天にある」と述べている。すなわち、目標に向かって努力しても事が成就しない場合は、「神様がだめといっているのだ」と考えればよいというのだ。しかし、それは「運を天にまかすという意味ではない」のである。「成業とは、大衆の声が空気の波動となって広がってゆき、天に通じたとき、はじめて大きな評価として返ってくるもの」だという。すなわち、「大衆の声こそ神の声であり、天を動かすことができる」のである。

コメント

安藤氏は、戦後の貧しさの中で即席麺を開発し、それを世界に広げた。2002年(平成14年)に勲二等旭日重光章を受賞したほか、アメリカ、ブラジル、タイなどからも勲章や栄誉市民の称号を贈られている。常に現場に立ち、大衆の声を聞くことを怠らなかった経営者であった。

今日、Googleに代表されるように、名も無き大衆の行動が世界の知識を結集し、国家までも動かそうとしている。IT企業も、CPUではなく大衆のパワーによって支えられているのである。
どんな事業をしているにせよ、常に大衆の声に耳を傾けるべきだと感じる。
(この項おわり)
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