入社とは、社会に入ること

宋文洲

発言者

  宋文洲 (そう・ぶんしゅう) 宋文洲
  ソフトブレーン マネージメント・アドバイザー
   
  2007年4月7日

場面

NBonline「おすすめコラム」より。
宋氏は、入社式でよく言われる挨拶――「諸君、入社おめでとうございます」に対し疑問を呈する。社長の「入社、おめでとうございます」は、校長先生の「入学、おめでとうございます」と同じであり、一度入った会社を退職まで勤めないと学校を中退し、進学できなくなるのと同じ錯覚に陥るのではないかと指摘する。

コメント

私は転職を繰り返し様々なキャリアを身につけてきた――こう言えば聞こえがいいのだが、実は、新人入社した同輩が愛社精神や同期意識を持っていることを、少し羨ましく感じる。本当は、自分がいるべき場所はどこなのか、不安で一杯なのである。
「自分のために仕事をする」「家族のために仕事をする」という割り切った考えもあるのだが、営業折衝の際、両刃の剣になりかねない。私が逆の立場だったら、袖の下を渡してダークサイドに陥れるだろう(笑)。

「社会に入ること」と考えれば、少しは救われるような気がした。自社のために働くのはもちろんだが、その基盤に社会のために働いているという腹づもりがあれば、相当厳しい折衝も乗り切れそうである。
(この項おわり)
header