不満はエネルギーになるが不安はエネルギーにならない

麻生太郎

発言者

  麻生太郎 (あそう・たろう) 麻生太郎
  自民前幹事長
   
  2007年9月28日

場面

自民党総裁選で福田康夫首相と戦いに敗れた、麻生太郎氏は、ZAKZAKの取材に対して次のように述べた。
最近は地方対策の話を皆がし始めているけど、俺は政調会長のときから市場経済原理主義者や財政再建原理主義者らと戦ってきたと思っている。だから、構造改革の恩恵が届かない人や場所はもちろん、成功している中小・零細企業や地方を訪れ、話を聞いて対策を講じていきたい。民意の吸い上げは議院内閣制の根本だ。参院選でも分かったように議員と民意の間に乖離があるとなると、自分で民意を吸い上げる努力をしたい。 あと大切なの年金など国民の不安解消だ。不満はエネルギーになるが不安はエネルギーにならない。その不安が解消する活動をしていきたい。

コメント

麻生太郎氏は、最近、「ローゼン閣下」と呼ばれている。政治家にしては珍しく、漫画やアニメに対する関心が高い。総裁選出馬が噂された途端に、漫画・アニメ株が急騰したほどだ。この取材の中でも、「俺はね、世の中でメジャーじゃないところに光をあてるのは、国が活力を出すために大事なことだと思っている」とも語り、「オタク」を擁護している。

麻生氏は、吉田茂・元首相や大久保利通、皇室へもつながる家系(閨閥)に生まれ、モントリオール・オリンピックに出場したエリートではあり、卓越した社会洞察力を感じる。今回の言葉は、国民の「不満」と「不安」の違いを言い当てた名言である。
ただ、切れすぎるカミソリというのものは、この国ではリーダーには向かないのも事実である。
(この項おわり)
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