オタク文化は狙ってつくれるものではない

宮脇修一

発言者

  宮脇修一 (みやざき・しゅういち) 宮脇修一
  株式会社海洋堂・社長
   
  2010年9月25日

場面

──最近は、政府や行政が、「オタク文化」や「オタクビジネス」を、積極的に盛り立てようとする動きもありますが。
お上が「こんなもの用意してあげたよ」とやって、成功するわけがないでしょうな。
オタク文化というのは、狙ってつくれるものではないんです。日本のアニメやマンガのブームにしても、「ガンダム」も「宇宙戦艦ヤマト」も「ポケモン」も「エヴァンゲリオン」も宮崎駿の映画もね、どれ一つとして最初は評価されずに、放映打ち切りされたりスポンサーがつかなかったりだった。
「敵はフィギュアの嫌いな日本、僕らは戦い続けなあかん」
(週刊ダイヤモンド/2010年9月25日号)

コメント

精密な造形のフィギアで有名な海洋堂だが、意外なことに営業部はない。社長いわく「僕らはあくまで『造形集団』なので、店も人も増やしたくもないし会社として大きくもしたくない」――これは、精密機器“町工場”の三鷹光器にも相通じるところがある。
彼らは、事業吸収や企業合併では決して到達することができない高みにいる。
(この項おわり)
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