西暦1508年 - マクシミリアン1世が即位

ハプスブルク家隆盛の基礎
マクシミリアン1世
マクシミリアン1世(デューラー画)
1508年、父フリードリヒ3世の死去に伴い、神聖ローマ皇帝に選出されたハプスブルク家のマクシミリアン1世は、ローマ教皇から正式に戴冠を受けるべくローマへ向かうがヴェネツィア共和国の妨害を受け、トレントで戴冠式を挙げる。ローマで戴冠式を行わなかった最初の神聖ローマ皇帝となり、これ以降、ハプスブルク家の皇帝はローマで戴冠式を挙げることはなくなった。

マクシミリアン1世は、結婚政策で成功をおさめ、ハプスブルク家の隆盛の基礎を築いた。
マクシミリアン1世と家族
マクシミリアン1世と家族
騎士道物語の影響を受け「中世最後の騎士」とも呼ばれたが、時代は騎士から傭兵の時代となっていた。フッガー家との交流を通じて得た資金で傭兵や武器を整える一方、芸術へつぎ込んだ。デューラーなどの芸術家のパトロンとなり、ウィーン少年合唱団の前身をつくった。

1477年、マクシミリアンはブルゴーニュ公国の王女マリアと結婚した。
マクシミリアンはフランス語を、マリアはドイツ語を理解できなかった。このため、夫婦はラテン語で会話を交わすということになった。また、マリアにダイヤの指輪を贈ったが、これが婚約指輪の習慣になる。
ルイ11世
ルイ11世
だが、1482年、マリアは不慮の事故で急死。
フランス王ルイ11世の介入があったが、マクシミリアンは反撃に転じ、ブルゴーニュ公国領のネーデルラントをハプスブルク家の領土として確保した。
1453年、東ローマ帝国を滅亡させたオスマン帝国は、ハンガリーをして、神聖ローマ帝国領へ圧力をかけてきた。1486年、ローマ王に即位したマクシミリアンは、ハンガリー・オスマン連合軍と戦い、ウィーンを奪回。さらにハンガリー領内に攻め込み、ボヘミア・ハンガリー王位を回復した。
ランツクネヒト
ランツクネヒト
1493年、父フリードリヒ3世の死去に伴い、マクシミリアン1世は神聖ローマ皇帝に選出された。当時、神聖ローマ皇帝は、ドイツ諸侯の総意によって選出されることになっていた。
神聖ローマ帝国の軍事力は、封建騎士から傭兵部隊 (ランツクネヒト) に移行していた。傭兵部隊を維持するための費用を調達するために、ドイツ諸侯の協力は必要不可欠であった。
ヤーコプ・フッガー
ヤーコプ・フッガー(デューラー画)
1495年、ヴォルムスで帝国議会が開催され、永久ラント平和令を発布し、帝室裁判所、帝国統治院、帝国議会などを制定した。こうしてドイツ国民の神聖ローマ帝国が確立されてゆく。
スイスの独立運動が盛んになり、1499年、マクシミリアン1世はこれを承認した。

1508年、マクシミリアン1世はローマ教皇ユリウス2世から正式に戴冠を受けるべくローマへ向かうがヴェネツィア共和国の妨害を受け、トレントで戴冠式を挙げる。
マクシミリアン1世は、バイエルンに併合されそうになっていたチロル地方を継承し、オーストリアを統一することにも成功した。チロルを継承したことで、チロル地方の銀山を支配し銀行業も営んでいたフッガー家との関係ができ、ハプスブルク家の財政基盤が確立された。

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参考書籍

表紙 ハプスブルク帝国
著者 岩崎 周一
出版社 講談社
サイズ 新書
発売日 2017年08月17日
価格 1,080円(税込)
rakuten
ISBN 9784062884426
1000年の歴史が、これ1冊で、わかる!!!図版多数。新知見もふんだんに取り入れた決定版。
 
(この項おわり)
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