西暦1561年 - 川中島の戦い(第四次)

上杉謙信vs武田信玄
第四次川中島の戦い
川中島の戦い (かわなかじまのたたかい) は、甲斐の戦国武将・武田信玄 (たけだしんげん) と、越後の戦国武将・上杉謙信 (うえすぎけんしん) の間の合戦で、天文22年(1553年)から永禄7年(1564年)までの12年あまり、計5回の戦いがあったとされている。
最大の激戦だったのは、永禄4年9月9日から翌10日(グレゴリオ暦1561年(永禄4年)10月27日から28日)にかけて闘われた第四次合戦である。
  1. 第一次合戦:天文22年(1553年)
  2. 第二次合戦:天文24年(1555年)
  3. 第三次合戦:弘治3年(1557年)
  4. 第四次合戦:永禄4年(1561年)
  5. 第五次合戦:永禄7年(1564年)
上杉謙信は戦の天才と呼ばれたが、武田信玄との川中島の合戦には勝負がつかなかった。
上杉謙信
天文21年(1552年)、北条氏康 (ほうじょううじやす) に敗れた関東管領の上杉憲政 (うえすぎのりまさ) は越後国へ逃れ、景虎 (かげとら) (のちの上杉謙信)に上杉氏の家督と関東管領職の譲渡と引き替えに保護を申し入れた。
これを聞き入れた景虎は関東へ出陣する。景虎は、関東出兵のために三国街道(国道17号線)を整備した。
関東の武将は次々と景虎の軍門に下るが、北条氏康は決戦を避けて小田原城に籠城し、同盟関係にあった武田信玄に援助を要請した。これがきっかけとなって、川中島の戦いが起きる。
上洛して正式に関東管領に就いた景虎は、政虎 (まさとら) と改名する。
武田信玄
武田信玄は上杉勢を牽制するため、川中島の東側に海津城 (かいづじょう) を築いていた。

永禄4年(1561年)8月、政虎は1万3千は善光寺平南部の妻女山に陣取った。一方の信玄は2万の兵を率いて、24日、善光寺平西方の茶臼山に陣取って上杉軍と対峙した。
両者のにらみ合いが続いたが、ついに9月9日、夜陰に乗じて武田勢が動く。これを察知した上杉勢は密かに妻女山を下り、千曲川を対岸に渡った。
そして10日早朝、川中島を包む深い霧が晴れると、いるはずのない上杉軍が武田軍を襲いかかった。ここに第四次合戦が勃発する。
激戦の最中、政虎は手薄となった信玄の本陣に切り込んだ。政虎は信玄に三太刀にわたり斬りつけたが、信玄は軍配をもってこれを凌いだ。
やがて武田軍の別働隊が上杉軍を挟撃する形となり、政虎は兵を引き、越後国へ引き上げる。

永禄3年5月19日(1560年6月12日)、桶狭間の戦い織田信長 (おだのぶなが) 今川義元 (いまがわよしもと) を破ると、武田信玄は今川領へ侵攻する。このことで北条氏と武田氏の同盟関係は破綻した。
こうして、武田氏は上杉氏と戦う大義名分を失い、川中島の戦いは永禄7年(1564年)の第五次合戦を最後に収束する。

天正10年(1582年)に武田氏が滅亡すると、川中島を含む信濃領国は織田家臣によって支配される。間もなく本能寺の変が起こり織田信長が横死すると、武田領をめぐって上杉・徳川・北条の三者による争奪戦が起こり、最終的に徳川氏の勢力下に入る。

徳川政権下の元和8年(1622年)、真田信之が海津城(松代城 (まつしろじょう) )に入り、明治維新まで真田氏の居城となった。

八幡原史跡公園付近の地図

川中島古戦場史跡公園(旧称・八幡原史跡公園)は、第四次川中島の合戦の跡地に造られた史跡公園である。

この時代の世界

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参考書籍

表紙 NHK歴史秘話ヒストリア 戦国 織田信長・伊達政宗・真田幸村・上杉謙信
著者 日本放送協会/バラエティ・アートワークス
出版社 イースト・プレス
サイズ 文庫
発売日 2010年02月
価格 853円(税込)
rakuten
ISBN 9784781603001
歴史を作るのは1%の大事件と、99%の秘話である。破天荒な4人の英雄の知られざる「素顔」。
 
表紙 上杉謙信のすべて
著者 花ケ前盛明
出版社 新人物往来社
サイズ 単行本
発売日 2008年05月
価格 3,456円(税込)
rakuten
ISBN 9784404035110
 
表紙 武田信玄のすべて
著者 柴辻俊六
出版社 新人物往来社
サイズ 単行本
発売日 2008年06月
価格 4,104円(税込)
rakuten
ISBN 9784404035141
日本人の原点となった戦国第一級の武将。
 

参考サイト

(この項おわり)
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