西暦1626年 - 崇源院(江)、死去

戦国時代を生き延びた姫
崇源院
1626年(寛永3年)9月15日、江戸幕府第2代将軍・徳川秀忠 (とくがわひでただ) の正室・崇源院 (すうげんいん)  (ごう) 江与 (えよ) )が他界する。

江(崇源院)は、1573年(元亀4年)、北近江の戦国大名・浅井長政 (あざいながまさ) 織田信長の実妹・お市 (おいち) の三女として、小谷城で生まれた。長女は豊臣秀吉に嫁ぐことになる淀殿 (よどどの) (茶々)、次女は京極高次 (きょうごくたかつぐ) の正室となる常高院 (じょうこういん) (初)。
姉川の戦いで織田信長に敗れた浅井長政は小谷城に籠城するが、1573年(元亀4年)8月、ついに落城。お市と三姉妹は信長に保護され、お市の兄・織田信包 (おだのぶかね) に預けられる。

1582年(天正10年)6月2日に起きた本能寺の変で信長が自刃すると、後継者をめぐる清洲会議が開かれる。お市と三姉妹も清洲城に呼び出された。
豊臣秀吉は、お市をライバルの柴田勝家 (しばたかついえ) に嫁がせ、三姉妹とともに勝家の居城である北ノ庄城へ移らせた。
志賀島もなく秀吉と勝家は正面衝突、賤ヶ岳の戦いが起きる。この戦に敗れた勝家は、1583年(天正11年)4月、北ノ庄城に火を放ち、お市とともに自刃した。
残された三姉妹は秀吉に保護されることになる。

秀吉は、当時11歳だった江を、大野水軍を支配する大野城の若き城主・佐治一成 (さじかずなり) に輿入れさせる。
だが、小牧・長久手の戦いで徳川家康に味方した佐治氏に対し、秀吉は激怒した。そして、1586年(天正14年)、江を大阪城に呼び寄せると、一成と離縁させ、一成を追放してしまう。
1589年(天正17年)、秀吉の嫡子・鶴松が誕生すると、その後見役として養子の羽柴小吉秀勝 (はしばこくちひでかつ) に江を嫁がせる。だが鶴松は病弱で、1591年(天正19年)に死んでしまう。
1592年(天正20年)、秀勝は朝鮮出兵に参加するが、戦地で病死する。未亡人となった江は、再び秀吉に保護され、大阪城で暮らすことになる。

1595年(文禄3年)9月、秀吉は、江を家康の後継者と目される徳川秀忠 (とくがわひでただ) の正室(御台所)として嫁がせる。二人は伏見城で結婚式を挙げた。
秀忠の間に生まれた長女・千姫 (せんひめ) 豊臣秀頼 (とよとみひでより) に嫁いだ。長男・竹千代は、3代将軍・徳川家光 (とくがわいえみつ) となり、幕府を盤石なものとした。末娘の和子 (まさこ) 東福門院 (とうふくもんいん) )は後水尾天皇 (ごみずのおてんのう) に輿入れし、後の明正天皇 (めいしょうてんのう) となる興子 (おきこ) 内親王を産む。

1626年(寛永3年)9月15日、江は54歳で急死した。その遺体は荼毘に付され、崇源院の名を贈られ、増上寺に埋葬された。同年11月、朝廷から従一位を追贈された。
徳川将軍家の御台所で将軍の生母となったのは後にも先にも崇源院だけであった。

崇源院(江)の足跡

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参考書籍

表紙 江(上)新装版 姫たちの戦国
著者 田渕久美子
出版社 NHK出版
サイズ 単行本
発売日 2010年11月
価格 935円(税込)
ISBN 9784140055946
女の戦は生きること、本日只今を生きること。戦国の世の運命に翻弄された、美しき浅井三姉妹の三女・江。その波瀾の生涯。大奥の潔い終焉を描き「篤姫ブーム」を巻き起こした田渕久美子が、大奥の始まりに至る道のりを、浅井三姉妹の三女・江を主人公に鮮やかに華やかに描く。
 
表紙 江(中)新装版 姫たちの戦国
著者 田渕久美子
出版社 NHK出版
サイズ 単行本
発売日 2010年11月
価格 935円(税込)
ISBN 9784140055960
 
表紙 江(下)新装版 姫たちの戦国
著者 田渕久美子
出版社 NHK出版
サイズ 単行本
発売日 2010年11月
価格 935円(税込)
ISBN 9784140055953
 

参考サイト

(この項おわり)
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