西暦1842年 - 二宮尊徳、幕府に登用

報徳仕法で財政再建
二宮尊徳像
1842年(天保12年)、二宮尊徳 (にのみやそんとく) (通称、金次郎)は、天保の改革を行っていた幕府に登用され、日光山領の仕法 (しほう) などを行う。

尊徳は、1787年(天明7年)7月23日、相模国足柄上郡栢山村(現在、神奈川県小田原市栢山2065-1)に百姓利右衛門の長男として産まれた。現在、生家の近くには尊徳記念館が建っている。
尊徳が5歳の時、洪水で酒匂川が決壊し、父の田畑が流出してしまう。14歳の時には父が、その2年後には母も他界した。

尊徳は伯父の家に預けられ、農業に励む傍ら、荒れ地を復興したり、残った田畑を小作人に貸すなどして収入を増やしていき、20歳で生家を復興した。
尊徳は地主経営を行いながら、自らは小田原藩家老服部家に奉公した。やがて服部家の財政建て直しに成功し、小田原藩内で有名になる。
尊徳の教えは報徳思想 (ほうとくしそう) と呼ばれ、経済と道徳の融和を説いた。つまり、私利私欲に走るのではなく社会に貢献すれば、いずれ自らに還元されるというもの
報徳思想に基づいた尊徳の財政再建手法は「報徳仕法 (ほうとくしほう) 」と呼ばれ、他の農村の規範にもなった。
現在も、公益法人大日本報徳社と全国の報徳社が中心となって報徳思想の普及活動に努めている。

尊徳は、1856年(安政3年)10月20日(旧暦)に死去し、明治24年に従四位が追贈された。

尊徳には様々な逸話が残っている。
  • 子供の頃、わらじを編んで金を稼ぎ、父のために酒を買った。
  • 伯父の家にいるときには寝る間も惜しんで読書をしたが、油代がもったいないと言われた。そこで、荒地に菜種をまいて収穫した種を菜種油と交換し、それを燃やして勉学を続けた。
  • 村人らに反感を持たれ復興事業が上手く行かなくなると、突然行方不明になった。間もなく成田山で断食修業していることが判明。修業を終えて戻ると村人らの反感もなくなっていた。


戦前、各地の学校に建てられた二宮尊徳像は、薪を背負いながら本を読んで歩く姿である。この記述は、尊徳の死後の1881年(明治14年)に刊行された伝記「報徳記」に初めてあらわれる。その10年後に刊行された「二宮尊徳翁」(幸田露伴)の挿絵に、その姿が描かれている。
戦前の尊徳像は銅製のものが多く、これらの多くが太平洋戦争中の金属供出によって溶かされてしまった。

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参考書籍

表紙 報徳記
著者 富田高慶/佐々井信太郎
出版社 岩波書店
サイズ 文庫
発売日 1991年10月
価格 648円(税込)
rakuten
ISBN 9784003304518
 

参考サイト

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目的地:二宮尊徳の生家
(この項おわり)
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