ワンクリック詐欺:不正請求メールの基本手口

(1/1)
アダルトサイトの勧誘メールの URL にアクセスしてクリックボタンを押しただけで会員登録完了となり、高額な会費を振り込みを促す内容が表示されました――よくある不正請求メールの手口です。
パソコンや携帯電話の場合、ワンクリックで個人情報が握られることは考えられません。しかし、スマートフォンでは電話番号などが業者に漏洩する可能性があります。
業者は、あなたを巧みにだまし、金銭を振り込むようし向けます。

スマートフォンを狙うワンクリック詐欺

スマートフォンを狙うワンクリック詐欺は、パソコンや携帯電話とは様相が異なっています。
まず、アダルト動画などを視聴するためと称するアプリをダウンロードさせます。このアプリは、端末番号や電話番号などを盗み取りサーバへ送ります。そして、業者から入金を督促するショートメッセージが送信されるという流れになっています。

対策としては怪しげなアプリをインストールしないことが一番ですが、その他にも「Android と個人情報でも紹介したように、ダウンロードしたアプリを信用せず、市販セキュリティソフトを導入することが必要です。

個人情報を取得したと騙す画面

ワンクリック詐欺
インターネット上では、自分自身の個人情報を入力したり、どこかのサイトに個人情報が公開されている状態になっていない限り、業者が個人を特定できる情報を入手することは不可能です。

そこで、悪い業者は、あなたの個人情報(の一部)を知っているようなふりをして、あなたに振り込みを促したり、クレジットカード番号を入力させるよう、巧みに誘導してきます。
たとえば、あなたがクリックボタンを押すと、次のような情報が画面に表示されます。

■携帯電話の場合
  • 個体識別番号
  • 携帯電話会社名
  • 機種名
  • 所在地情報
  • メールアドレス
  • 電話番号
■パソコンの場合
  • IP アドレス
  • プロバイダ名
  • アクセス番号
  • ブラウザ情報


これらの情報は、通常の通信でサーバ側が把握できる情報です。ここから、あなたの個人情報を識別することはできません。
そこで業者は、これらの情報を画面に表示し、あなたの個人情報の一部を手に入れたかのように惑わします。そのうえで、高額な会費を指定口座に入金するよう促したり、クレジットカード番号を入力したりするよう誘導するのです。

しかし、ここで騙されてはなりません。
この時点であなたの個人情報は漏れてはいませんし、業者はあなたが実在することすら知りません。

こうしたメッセージは無視するに限ります。また、サイトに記載されている電話番号や届いたメールに問い合わせると、かえって被害が広がります。あなたの電話番号やメールアドレスが実在することを、相手に知らせてしまうからです。
ともかく無視してください。ネット初心者や、あなたの子供には、特に注意する必要があります。
不幸にしてこのようなサイトに引っかかってしまった場合は無視するということを、普段から家族で話し合っておきましょう。

本当に大丈夫?

それでも心配という方のために――万が一、個人情報が握られたとしても、ワンクリックで入会契約が成立することはありえません。
電子消費者契約法」では、業者は消費者に対して申し込み内容を再度確認させるための画面を用意する必要があるとしています。こうした確認措置がない場合、契約自体の無効を主張できます。

少額訴訟の「支払い督促」には注意

ネット以外の手段であなたの住所、氏名を知り、少額訴訟で金銭を請求してくる者もいます。

少額訴訟は 30 万円以下の請求に利用できる訴訟制度で、業者が一定の書式を裁判所に提出すれば、裁判所は事実確認せずに、あなたに支払い督促を行うことがあります。
郵便局員から「特別送達」と赤いスタンプの押された封書を手渡しされ、開けてみたら、簡易裁判所からの「支払督促」が入ってる場合がそれです。速やかに問い合わせ先の簡易裁判所が実在するか、その電話番号が正しい番号か調べた上で、簡易裁判所に真偽のほどを確認してください。
もし本物なら、消費生活センターまたは弁護士に相談しましょう。場合によっては期日までに裁判所に出頭し、事実誤認であることを主張する必要があります。ただし、この手口の場合、偽物の「支払い督促」であることが多いようです。

問い合わせ先電話番号は、裁判所ではなく業者のものであり、電話をかけると「振り込め詐欺(オレオレ詐欺)」の要領で偽物の裁判官があなたに支払いを督促してきます。
まず電話番号が本物であることを確認し、偽物だったら、ひたすら無視を決め込みましょう。

ワンクリック詐欺対策6か条

  1. 変だと思ったら先に進まない。
  2. ページやダイアログをよく読む。
  3. Windows などの警告を無視しない。
  4. むやみにダウンロードしない。
  5. 覚えのない料金は払わない。
  6. 相手に連絡しない。
『日経パソコン』2011 年(平成 23 年)5 月 23 日号より

参考サイト

(この項おわり)
header