header

国勢調査を騙る業者の傾向と対策

(1/1)

2005年10月1日から国際調査がスタートします。ここでは、国勢調査の是非はともかく、調査を騙る個人情報収集業者の手口を予想し、対策を考えます。

国勢調査員を騙る場合

国勢調査の調査用紙に記入する事項は、個人情報そのものです。しかも、年収など、かなりセンシティブな内容の記入を求められることもあります(今回がどのように質問項目になっているかは分かりませんが)。
調査用紙は、原則として調査員が戸別訪問して回収することになっているので、まず、この調査員を騙るケースが想定されます。

10月2日、名古屋市は、国勢調査員を装って調査票を持ち去ろうとした事件が3件あったことを公表しました。うち1件は実際に調査票を渡した。調査票の持ち去り事件は同市内では初めてで、市は「調査員が国勢調査員証を携帯しているか確認してほしい」と呼び掛けています。

10月4日までに、愛知県内では、未遂を含めて15件の調査票持ち去り事件が発生しました。また、東京都内でも3件発生しています。神奈川県内では、実際に持ち去られてしまったケースが3件、未遂が1件発生しました。
このほか、全国各地で同様の事件が発生している模様です。

調査員は、市町村長の推薦に基づいて総務大臣が任命する非常勤の国家公務員です。もちろん、収集した個人情報を漏洩することがないよう、守秘義務も課せられています。
調査員は、国勢調査員証を携行して戸別訪問するので、この身分証明書を確認することが必要です。調査員証のイメージは公開されていないようですが、「下記の者は平成17年国勢調査の国勢調査員であることを証明する」という一文と、調査員の氏名、任命期間、発行日及び総務省統計局長氏名が明記され、総務省統計局長の公印が印刷されているそうです。

電話確認を騙る場合

調査用紙は市町村役場で回収・開封されますが、この際に記入内容が不備・不明瞭であった場合に確認の電話がかかります。これに乗じるケースが想定されます。「役場の方から電話しました」という類の電話です。たとえば、国勢調査でクレジットカード番号や銀行の口座番号などを調べることはあり得ませんので、そのような問い合わせが紛れていた場合には疑ってかかるべきです。
この場合、電話をかけてきた役場の部署名、担当者名、連絡先電話番号を確認します。そして、自分から電話をして、確認事項に答えるようにしましょう。

10月3日、福島県福島市内で、「これから調査票を回収に行く」などという国際調査員を装った不審な電話がありました。

調査員を狙う場合

調査員が扱う調査用紙が狙われる場合も考えられます。調査用紙の紛失はあってはならないことですが、盗難はあり得ます。一人の調査員が持っている調査用紙の数は大したことはないのですが、ある個人を狙いうちにするような業者の場合、こうした手口を使うかもしれません。

実際、9月17日夜、大阪市で、説明会からの帰路の途中だった国勢調査員の女性が、背後から鈍器のようなもので頭を殴られ、国勢調査の対象となっている64人分の個人情報が記載された調査用紙などが入った手提げかばんを奪われる事件が発生しました。
状況から見て、単なる物取りの可能性が高のですが、個人情報が盗まれたことに変わりはありません。

また、調査員自身が、役場の担当者を騙る者からの電話に受け答えをする過程で、個人情報を漏らしてしまう可能性もあります。

調査員の方々は、個人情報保護の理念を理解し、自分がリスクのある仕事を引き受けていることを認識して業務に当たっていただきたいと思います。

封筒を使う

今回の国勢調査では、初めて、調査用紙の密封用封筒が全戸に配布されます。そこで、この封筒を使って、調査用紙を直接役場に郵送することが安全と言えそうです。

一方で、調査用紙の回収は相変わらず「調査員が行う」ことを原則としているため、調査員によっては、直接手渡すよう指示してくる可能性が考えられます。このあたりの対応は自治体に任されています。
たとえば、東京都中野区、神奈川県横浜市、川崎市、兵庫県伊丹市などでは、封筒に入れて提出することを勧めています。伊丹市では、今月の広報で「プライバシー保護のため、調査票は封筒に入れて、調査員に渡してください」などと呼びかけています。
その他の自治体では、 調査員をどのように教育しているかによるのですが、総務省は、密封用封筒で役場に郵送すること自体を禁じてはいません。
ただ、調査員にも立場があるので、「在宅時間が不規則なので郵送してしまいました」などと答えておくのが無難といえそうです。

参考URL