個人情報検索サイト「Spock」

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身分証明書を調べる
アメリカで、2006年(平成18年)11月、個人情報を検索するサービス「Spock.com]」β版が一般公開されました。そして2009年(平成21年)4月には、信販情報会社大手のInteliusに買収され、Intelius People Search と名称を変更しました。
Spockのサービスは、ネット上にある個人情報を収集し検索に供するものですが、公開希望していない個人情報が晒されることはないのでしょうか。
その後、Spock.comは ZabaSearch と名前を変えて運用されている。

Spock.com の概要

Intelius People Search は企業の人材検索を目的としており、名前やメールアドレスを入力すると、その人物の写真、住所、職業、趣味などの情報が表示されます。職業から検索することも可能です。
イチロー(Ichiro Suzuki)や松井(Hideki Matsui)のようにアメリカで活躍しているスポーツ選手はもちろんのこと、野村監督(Katsuya Nomura)や俳優の松山ケンイチ(Kenichi Matsuyama)など、日本人のプロフィールもヒットします。
Spock は、1億人のプロフィールを提供する予定だといいます。

危惧

Spock(Intelius People Search) は、求職をするために自ら公開した個人情報を集めるものではなく、ネット上に散在するビジネス・パーソンの情報を集め、ヘッド・ハンティングのための情報を提供するシステムという位置づけです。無料のWebAPIも公開されています。
つまり、望むと望まざるとにかかわらず(あなたが有能であるかどうかは別にして)、あなたの情報は集められ、WebAPIを介して様々な角度から検索することができてしまいます。名簿屋の電子版といえましょう。

アメリカでは、このようなネット上の名簿サービスが増えてきています。
WhitePages.comは、調査専門サイトZoom Informationと提携し、勤務先、肩書き、参加している理事会やその他団体を無料で引き出せるといいます。
また、Wink.comは、SNSの公開プロファイルを検索し、氏名、場所、関心、性別、年齢などで検索できるようになっています。

これは違法ではないでしょうか。
しかし、Spock のデータベースは日本国外にあるので、日本の個人情報保護法は適用されません。現地法がどうなっているかに依存します。考えようによっては、名簿屋よりたちが悪いのです。

また、Spockを買収した Interius は、ビジネスパーソンではなく、個人向けの信用調査をビジネスモデルにしています。たとえば有料会員になると、配偶者や恋人に関わる情報を入手できるというものです。
しかし情報の品質にばらつきがあり、またプライバシー情報をネット上にばらまいているということで、米国内でも批判の声が上がっています。

このコーナーでは、今後も随時、Spock(Intelius People Search) の情報をウォッチしていきます。

類似サイト「Spoke.com」

Spoke.com という、かなり悪質なサイトがあります。Spock.com と1文字違いにしている点から見ても、確信犯に違いありません。

Spoke.com のツールバーをクリックするだけで、Microsoft Outlook などに登録された個人情報を Spoke.com のデータベースに登録することができます。そして、彼らは個人情報の主に何の断りもなく、そのデータを売買しているのです。

日本人の名前も多く登録されており、とても悪質なサイトです。

参考サイト

(この項おわり)
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