サポートが終了したOSをネットに繋がない

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ライフサイクル
情報処理推進機構(IPA)は、2007 年(平成 19 年)4 月の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」において、「サポートが終了した OS を搭載した PC の危険性を認識しよう!!」と呼びかけています。
極論すれば、セキュリティホールをふさぐことができなくなった Windows98/Me/2000/XP(SP2) をネットに接続するのはやめようということなのですが、Windows 7/8 に乗り換えるためにはパソコンごと買い換えなければなりません。予算的に厳しい人はどうすればいいのでしょうか?

ちなみに、2010 年(平成 22 年)3 月にトレンドマイロが行った企業や団体の情報システム担当者を対象としたアンケートによると、組織内で使用している OS のうち、ベンダーのサポートが終了した OS(レガシー OSが 1 台でも「ある」とした回答者は 42.2%。「ない」とする企業も 39.3%、さらに 18.5%は「不明」と回答しています。
また、未知のウイルスへ感染した経験について尋ねた設問では、レガシー OS を使用していない企業では 24.7%が「ある」と回答する一方、レガシー OS をなんらかの形で利用している企業では、50.6%と割合が高くなっています。

マイクロソフトによると、7 月中旬にサポート期間が終了した Windows 2000 / Server を日本国内で継続使用している可能性があるのは、サーバーが約 13 万台、パソコンが約 50 万台に及ぶと発表しました。移行が進まないのは、使用中のシステムへの対応に手間取っていることや、経済的に余裕がないことが理由とみられています。

サポート切れの OS を使っているとセキュリティ上の問題が発生するリスクが高まります。
マイクロソフトの担当者は、「この 10 年でブロードバンドが普及し、想定外のリスクも出ている。製品設計上、限界がある」とコメントしています。

また、サイバークリーンセンター(CCC)が 2010 年(平成 22 年)8 月のボット検知状況を取りまとめたところ、Windows2000 や WindowsXP(SP2)などのサポートが終了した OS ではボット検出比率が高まる傾向が顕著だとして、注意を呼びかけています。

マイクロソフト・サポート・ライフサイクル

Microsoft は、2002 年(平成 14 年)10 月 17 日に「マイクロソフト・サポート・ライフサイクル」という概念を導入し、Windows や Office製品のサポート期限を明確にしました。サポート期限は、大きく 3 つに分かれます。

メインストリーム・サポート」はライフサイクルの最初のフェーズで、インシデント・サポート (無償サポート、有償サポート、時間制サポート、その他)、セキュリティ更新プログラム・サポート(無償)、セキュリティ関連以外の修正プログラムの新規作成リクエストを提供します。この期間中は安心して Windows を使ってもらって構いません。

次に来るのが「延長サポート」で、有償サポート、セキュリティ更新プログラム・サポート (無償)を提供します。最低限のセキュリティ・パッチは、このフェーズでも無償提供されると考えていいでしょう。

最後が「オンライン・セルフ・ヘルプ・サポート」で、サポート技術情報の検索や FAQ 、トラブルシューティング・ツール、その他のリソースのみ提供されます。この段階になると、セキュリティ・パッチのみが提供されている状態と考えた方がいいでしょう。そろそろ次の OS の導入を検討すべき時期です。

Windows と Office のライフサイクル

2011 年(平成 23 年)2 月現在、Windows と Office製品のライフサイクルは下記の通りとなっています。
Windows2000 までの OS はサポートが終了しており、2011 年(平成 23 年)7 月にはサービスパック無しの Vista のサポートが終了することに注意してください。
製品名 製品発売日 メインストリーム終了 延長サポート終了 サービスパック・サポート終了
Windows 3.1 1992年3月1日 2001年12月31日 対象外  
Windows NT Workstation 3.1 1993年10月24日 2000年12月31日 対象外  
Windows NT Workstation 4.0 1996年7月29日 2002年6月30日 2004年6月30日  
Windows 95 1995年8月15日 2000年12月31日 2001年12月31日  
Windows 98/98SE 1999年6月30日 2002年6月30日 2006年6月30日  
Windows Me 2000年12月31日 2003年12月31日 2006年7月11日  
Windows 2000 Professional 2000年3月31日 2005年6月30日 2010年7月13日  
Windows XP Professional(SP1) 2002年8月30日 対象外 対象外 2006年10月10日
Windows XP Professional(SP2) 2004年9月17日 対象外 対象外 2010年7月13日
Windows XP Professional(SP3) 2008年4月21日 対象外 2014年4月8日 2014年4月8日
Windows XP Home Edition 2001年12月31日 2009年4月14日 2014年4月8日  
Windows Vista Business/Business N/Enterprise(各64ビット版を含む) 2007年1月25日 2012年4月10日 2017年4月11日 2010年4月13日
Windows Vista Home Basic/Home Basic N/Home Premium/Ultimate(各64ビット版を含む) 2007年1月25日 2012年4月10日 2017年4月11日 2010年4月13日
Windows Vista (SP1) 2008年2月4日 対象外 対象外 2011年7月12日
Windows Vista (SP2) 2009年4月29日 次のSPリリースから24ヶ月後まで,またはその製品のサポートライフサイクル終了まで
Windows 7 Enterprise/Enterprise N/Professional/Professional N 2009年10月22日 2015年1月13日 2020年1月14日 2013年4月9日
Windows 7 Starter/Starter N/Home Basic/Home Premium/Home Premium N/Ultimate/Ultimate N 2009年10月22日 2015年1月13日 2020年1月14日 2013年4月9日
Windows 7 (SP1) 2011年2月22日 2015年1月13日 2020年1月14日  
Windows Home Server 2011 2011年5月21日 2016年4月12日 対象外 対象外
Windows 8/Enterprise/Enterprise N/N/Pro/Professional N 2012年10月30日 2018年1月9日 2023年1月10日 2016年1月12日
Windows 8.1/Enterprise/Enterprise N/N/Pro/Professional N 2013年11月13日 2018年1月9日 2023年1月10日 対象外
Windows 10 2015年7月29日 2020年10月13日 2025年10月14日  
Windows 2000 Server 2000年3月31日 2005年6月30日 2010年7月13日  
Windows Server 2003, Standard Edition 32-bit 2003年5月28日 2010年7月13日 2015年7月14日  
Windows Server 2003 R2 2006年3月5日 2010年7月13日 2015年7月14日  
Windows Server 2003 (SP1) 2005年3月30日 対象外 対象外 2009年4月14日
Windows Server 2003 (SP2) 2007年3月13日 次のSPリリースから24ヶ月後まで,またはその製品のサポートライフサイクル終了まで
Windows Server 2008 2008年5月6日 2015年1月13日 2020年1月14日 2011年7月12日
Windows Server 2008 R2 2009年10月22日 2015年1月13日 2020年1月14日 2013年4月9日
Windows Server 2008 (SP2) 2009年4月29日 次のSPリリースから24ヶ月後まで,またはその製品のサポートライフサイクル終了まで
Windows Server 2008 R2 (SP1) 2011年2月22日 次のSPリリースから24ヶ月後まで,またはその製品のサポートライフサイクル終了まで
Windows Server 2012 2012年10月30日 2018年1月9日 2023年1月10日  
IE 7/8   2016年1月13日
IE 9/10   Windows 7では2016年1月13日
IE 11   Windows 7では2020年1月15日
Office 2000 1999年6月27日 2004年6月30日 2009年7月14日  
Office XP 2001年5月31日 2006年7月11日 2011年7月12日  
Office 2003 2003年11月17日 2009年4月14日 2014年4月8日 2005年7月27日
Office 2007 2007年1月27日 2012年4月10日 2017年4月11日 2009年1月13日
Office 2010 2010年7月15日 2015年10月13日 2020年10月13日 2012年7月10日
Office 2013 2013年1月9日 2018年4月10日 2023年4月11日  
Office 2016 2015年9月22日 2020年10月13日 2025年10月14日  
SQL Server 2005 2006年1月14日 2011年4月12日 2016年4月12日 2007年7月10日
SQL Server 2008 2008年11月11日 2014年7月8日 2019年7月9日 2012年7月10日
SQL Server 2008 R2 2010年7月20日 2014年7月8日 2019年7月9日 2012年7月10日
SQL Server 2012 2012年5月20日 2017年7月11日 2022年7月12日 2014年1月14日
SQL Server 2014 2014年6月5日 2019年7月9日 2024年7月9日 2016年7月12日
SQL Server 2014 (SP1) 2015年4月14日 対象外 対象外 2017年10月10日
SQL Server 2014 (SP2) 2016年7月14日 2019年7月9日 2024年7月9日
SQL Server 2016 2016年6月1日 2021年7月13日 2026年7月14日
.NET Framework 1.1 2003年7月10日 2008年10月14日 2013年10月8日 2005年9月9日
.NET Framework 2.0 2006年2月17日 2011年4月12日 2016年4月12日 2009年1月13日
.NET Framework 2.0 (SP2) 2009年1月16日 Windows Server 2003 R2に準ずる
.NET Framework 3.0 2006年11月21日     2011年7月12日
.NET Framework 3.5 2007年11月19日     2011年7月12日
.NET Framework 3.5 (SP1) 2008年11月18日 Windows Vistaに準ずる
.NET Framework 4.0 2010年3月31日 対象外 2016年1月12日 対象外
.NET Framework 4.5 2012年10月9日 対象外 2016年1月12日 対象外
.NET Framework 4.5.1 2014年1月15日 対象外 2016年1月12日 対象外
.NET Framework 4.5.2 2014年5月5日 対象外 2023年1月12日 対象外
.NET Framework 4.6 2015年7月29日 親OSにしたがう
.NET Framework 4.6.1 2015年11月30日 親OSにしたがう
.NET Framework 4.6.2 2016年8月2日 親OSにしたがう
.NET Framework 4.7 2017年4月5日 親OSにしたがう
この表を見れば分かりますが、発売後約 5 年で「メインストリーム・サポート」は終了し、さらに 5 年経過すると「延長サポート」が終了します。ただし、Windows XP は例外的に寿命が長く設定されました。

.NET Framework については、当初、OS のバージョンに依存せずに開発するためのプラットフォームという位置づけでしたが、.NET Framework 4.6 以降、そのライフサイクルは「搭載されている親OS にしたがう」という形になっています。

セキュリティ・ベンダーの対応

マイクロソフト・サポート・ライフサイクル」に対するベンダーの対応は一定していません。
2007 年(平成 19 年)時点では、ウイルス/スパイウェア対策やファイアウォールといったソフトウェアについては、マイクロソフト以外の製品を使っている方が多いでしょう。これらのサポート状況はどうなるのでしょうか。

たとえばシマンテックのアンチウイルスソフト「Norton AntiVirus」の場合、2006 年(平成 18 年)版では Windows 2000 をサポートしていたが、2007 年(平成 19 年)版ではサポートしなくなりました。
一方、トレンドマイクロの「ウイルスバスター」は、2007 年(平成 19 年)版でも Windows 2000 をサポートしています。

これは目安に過ぎないのですが、「メインストリーム・サポート」が終了したら、セキュリティ・ベンダーが提供するソフトは使えなくなると考えておいた方がいいでしょう。それより長くサポートする製品も出てくるかもしれませんが、こういう問題は最悪のケースを想定しておいた方がよいでしょう。
となると、5 年に一度、OS やセキュリティ・ソフト一式を買い換えなければならないわけです。これはかなりの出費ですね。

そもそも、Windows 98/Me がプリインストールされているような PC は非力で、Windows Vista はもちろんのこと、Windows XP すら動かないでしょう。
要するに、インターネットしたかったら、5 年に一度、PC を丸ごと買い換えなければならないのです。
PC を趣味としている人間はともかく、一般ユーザーに「インターネットに接続したかったら 5 年に一度 PC を買い換えなさい」とアドバイスするのは現実的ではありません。

Linux への転換

では、どうしたらいいでしょうか――コストを優先するなら、一番安くあげる方法は Linux に乗り換えることです。Windows 98/Me 時代のハードウェアであっても、いまの Linux であれば実用的なスピードで動作します。OpenOffice.org といった Microsoft Office 互換ソフトも出ており、完全互換とまではいきませんが、書類づくり程度なら会社の仕事もできるでしょう。ネットから CD イメージをダウンロードして Linux をインストールするというのは技術的敷居が高いので、下記のような市販パッケージを購入することをお勧めします。
もちろん Linux のセキュリティは万全なわけではありません。原則として自己責任で使うソフトなので、万が一ウイルスに感染して重要情報が漏れてしまったとしても、自分で責任を負うしかないのです。

しかし、Windows に比べて圧倒的にユーザー数が少ないことが幸いし、積極的に Linux を狙うような悪意のあるソフトはまだ少ない状況です。

千葉県松戸市教育委員会では、保有する 1,000 台の Windows98 マシンを再活用するため、松戸市教育情報センターやアルファシステムズとともにKNOPPIX(Linux の1つ)を中心とした OSS(OpenSourceSoftware)にてシステムを構築。サーバからクライアントへ画面を転送するシンクライアント型で、CPU 146MHz、メモリ 32M バイト、HDD 2GB の非力なマシンを再び教育へ利用できる環境を整えました。
シンクライアント化することによってサーバからの一括管理も可能となり、構築作業の手順化と講習とあわせて、導入・運用の予算も軽減されるといいます。

それでも Windows を使い続けなければならない方のために

それでも Windows を使い続けなければならない事情をお持ちの方は、5 年で買い換えができるように、PC貯金することをお勧めします。毎月 5,000 円ずつ貯金していけば、5 年で 30 万円貯まる計算になります。さらに余裕のある方は、2~3年の長期レンタルはいかがでしょうか。
廉価版デスクトップなら、3 年レンタルで月額2,000 円程度で借りることができます。3 年ごとに最新の OS に乗り換えられるし、故障に対するサポートもあるので安心です。

ICT 教育推進プログラム協議会が、「学校向け Windows 98/Me インフォメーションセンター」を設置しました。学校関係者に限り、2007 年(平成 19 年)6 月 8 日から 2007 年(平成 19 年)12 月末まで、Windows 98/Me に関するセキュリティ関連情報を無償で提供されるというものです。

参考書籍

表紙 Windows PCでやさしく始めるLinux
著者 日経Linux編集部
出版社 日経BP社
サイズ ムックその他
発売日 2006年06月
価格 1,532円(税込)
rakuten
ISBN 9784822234065
 
表紙 だれでもデキル! Linux入門
著者 橋本洋志/小林裕之
出版社 オ-ム社
サイズ 単行本
発売日 2006年01月
価格 2,376円(税込)
rakuten
ISBN 9784274201806
本書の目的は、文系、理系の人に関わらず、Linuxを用いて、誰でもが低コストで、かつ簡単にビジネス文書作成作業や理工系レポート作成を行えるようにすることにあります。
 

参考サイト

(この項おわり)
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