PHPでテキスト中の日付をN日後に置換

今週の予定表テキストを丸ごと1週間後にコピーしようとするとき、月や年またぎがあるときは、単純な置換では日付を1週間後にすることができない。そこで今回は、正規表現とカレンダー計算を組み合わせ、入力したテキスト中にある日付をN日後に置換するプログラムを作ってみることにする

プログラムを実行する

サンプル・プログラムの実行例

サンプル・プログラム

ダウンロード（PHP8対応）

プログラムの方針

入力したテキスト中にある日付文字列を取り出し、指定した差分だけ加算／減算した日付に置き換える。
差分は、年、月、日の3種類とし、同時に3つ指定できるものとする。正数を指定すると加算（未来日）、負数を指定すると減算（過去日）になるようにする。
桁合わせのために "2018/02/03" のように数字の頭にゼロを付ける（ゼロ・サフィックス）されたデータがあるが、たとえばソースが "2018/11/24" のようなデータはゼロ・サフィックスを行うべきかどうか自動判断できない。そこで、ゼロ・サフィックスを手動指定できるようチェックボックスを設ける。

解説：差分計算（日）

209: /**
210:  * 指定年月日から$diff日だけ離れた年月日を取得する
211:  * @param   int $year  西暦年
212:  * @param   int $month 月
213:  * @param   int $day   日
214:  * @param   int $diff  差分日数
215:  * @return  array(年,月,日)
216: */
217: function diffymd($year, $month, $day, $diff) {
218:     $dm = getDaysInMonth($year, $month);
219:
220:     $day += $diff;
221:     //月の繰り下がり
222:     while ($day < 1) {
223:         $month--;
224:         if ($month < 1)  $year--;
225:         $dm = getDaysInMonth($year, $month);
226:         $day += $dm;
227:     }
228:     //月の繰り上がり
229:     while ($day > $dm) {
230:         $dm = getDaysInMonth($year, $month);
231:         $day -= $dm;
232:         $month++;
233:         if ($month > 12) {
234:             $year++;
235:             $month = 1;
236:         }
237:     }
238:
239:     return array($year, $month, $day);
240: }

$year年 $month月 $day日から $diff日だけ離れた年月日を取得するユーザー関数 diffymd であるが、まず、$day に $diffを加算する。
加算結果が1未満となった場合、月の繰り下がりが発生する。$day が1以上になるまで、while ループを回して繰り下がりを処理し続ける。

月の日数を取得するユーザー関数は getDaysInMonth である。うるう年の2月は29が返るようにしてある。

解説：差分計算（年・月）

242: /**
243:  * 指定年月日から$yy年$mm月だけ離れた年月日を取得する
244:  * @param   int $year  西暦年
245:  * @param   int $month 月
246:  * @param   int $day   日
247:  * @param   int $yy    差分年数
248:  * @param   int $mm    差分月数
249:  * @return  array(年,月,日)
250: */
251: function diffymd_ym($year, $month, $day, $yy, $mm) {
252:     $year  += $yy;
253:     $month += $mm;
254:
255:     //年の繰り下がり
256:     while ($month < 1) {
257:         $year--;
258:         $month += 12;
259:     }
260:     //年の繰り上がり
261:     while ($month > 12) {
262:         $year++;
263:         $month -= 12;
264:     }
265:
266:     return array($year, $month, $day);
267: }

$year年 $month月 $day日から $yy年 $mm月だけ離れた年月日を取得するユーザー関数 diffymd_ym は、diffymd より簡単だ。月は1～12固定であるため、年の繰り下がりや繰り上がりの計算が単純化できる。

解説：テキスト中の日付をN日後に置換

269: /**
270:  * テキスト中の日付をN日後に置換
271:  * @param   string $sour  オリジナル・テキスト
272:  * @return  string 変換後テキスト
273: */
274: function dayafter($sour) {
275:     //検索パターン
276:     $pat = '/(([0-9]+)([ 　年\/\-]+))(([0-9]+)([ 　月\/\-]+))(([0-9]+)([ 　日])*)/iums';
277:
278:     return preg_replace_callback($pat,
279:         //置換関数
280:         function ($mat) {
281:             global $Diff;
282:             if (! isset($mat[9]))   $mat[9] = '';
283:             list($year, $month, $day) = diffymd((int)$mat[2], (int)$mat[5], (int)$mat[8], $Diff['day']);
284:             list($year, $month, $day) = diffymd_ym($year, $month, $day, $Diff['year'], $Diff['month']);
285:             //ゼロ・プレフィックス
286:             if ($Diff['prefix']) {
287:                 $res = ($mat[2] != '') ? sprintf('%04d%s', $year, $mat[3]) : '';
288:                 $res .= sprintf('%02d%s%02d%s', $month, $mat[6], $day, $mat[9]);
289:             //なし
290:             } else {
291:                 $res = ($mat[2] != '') ? sprintf('%d%s', $year, $mat[3]) : '';
292:                 $res .= sprintf('%d%s%d%s', $month, $mat[6], $day, $mat[9]);
293:         }
294:         return $res;
295:     },  $sour);
296: }

テキスト $sour にあらわれる日付をN日後に置換するユーザー関数が dayafter である。
preg_replace_callback を利用して、日付を表す部分文字列にマッチングさせ、コールバック関数の中で切り出した年・月・日に対して差分計算する。

日付にマッチさせる正規表現は次の通り。

(([0-9]+)([ 　年\/\-]+))?(([0-9]+)([ 　月\/\-]+))(([0-9]+)([ 　日]*))

年月日のセパレータは「年・月・日・／・－」を想定している。数字との間に空白文字が入ることも許容している。また、年は必ずしも必要ないが、年月は必須である。
マッチングに成功すると、配列要素として次のような値が入り、コールバック関数に渡される。

要素	内容
1	年＋セパレータ（空文字あり）
2	年（空文字あり）
3	年のセパレータ（空文字あり）
4	月＋セパレータ
5	月
6	月のセパレータ
7	日＋セパレータ
8	日
9	日のセパレータ（空文字あり）