ゾウのはな子さん、来園50周年

2004年3月7日 撮影
ゾウのはな子さん
ゾウの はな子 さんが井の頭自然文化園(東京都武蔵野市御殿山 1-17-6)に来園して50年を迎えた。子どもたちがくす玉を割って祝った。

50年といえば、こぱふぅはもちろんのこと、パパぱふぅままぱふぅも生まれていない。唯一、じじぱふぅが当時の思い出を、テレビのインタビューに応じて答えていた。
2016年(平成28年)5月26日、東京都はゾウのはな子が永眠したことを伝えた。国内最高齢の69歳だった。
吉祥寺駅北口に銅像が建立され、2017年(平成29年)5月5日、除幕式が行われた。
はな子はタイで1947年(昭和22年)にバンコク郊外の牧場で生まれ、1949年(昭和24年)に上野動物園に贈られたアジアゾウである。正確な誕生日が分からないため、元日を誕生日としている。
ゾウのはな子さん
戦前、日本で亡命生活を送っていたタイのプラ・サラサス氏は、私費を投じ、生まれたばかりの一頭の子象を日本へ贈った。国土が荒れ果て、人心の乱れた友邦、日本の子どもたちのためであったという。
ゾウのはな子さん
1949年(昭和24年)に上野動物園に入った子象は、戦争中に餓死させられたゾウ「花子」の名前を受け継いだ。
はな子は、1950年(昭和25年)から移動動物園で全国を巡回し、1954年(昭和29年)に井の頭自然文化園へ引っ越した。
ゾウのはな子さん
50周年の御祝いのケーキは、マーガリンを練り込んだパンや果物だ。

いまは子どもたちの人気者の はな子 だが、その50年は、苦労の連続であったようだ。
ゾウのはな子さん
後日、こぱふぅは、はな子 にパンを与える機会に恵まれた。
この日、こぱふぅを案内してくれた飼育員が、後に『父が愛したゾウのはな子』(現代書林/2006年(平成18年)09月)を著した山川宏治さんである。
この本の話は、フジテレビ系列で2007年(平成19年)8月4日、「ゾウのはな子」というドラマとして放映された。

父が愛したゾウのはな子

戦時中、花子など3頭の象を餓死させた上野動物園の飼育員たちは、その罪の意識から、“2代目”はな子を甘やかした。これが良い意味でも悪い意味でも、その後のはな子の人生を決めていく――。
ゾウは、本来群れで暮らす。なのに、はな子は井の頭動物園に独りぼっち――そのストレスからなのか、それとも甘え放題に育ったせいか、はな子は二人の人間を踏みつけて殺してしまう。
殺人ゾウとして鉄格子に囲まれたゾウ舎で鎖につながれたはな子は、やせ細り、歯が抜け落ちてしまった。それを救ったのが、かつて上野動物園で世話をしていたベテラン飼育員、山川清蔵さんであった。そして、清蔵さんの息子が、こぱふぅを案内してくれた宏治さんである。

この時入ったゾウ舎は、かつて、はな子が鎖につながれていた場所である。
宏治さんは、その著書にこう記している。

いま私たちが、何の武器も持たずにゾウ舎に入れる。子供たちまで、はな子のプライベートルームである寝部屋に、勝手に入り込んで遊べる。それも父や金井さんが、手カギでなく、信頼でつながる関係を築いておいてくれたおかげです。


タイと日本ではな子のために奔走した人間たちは全て鬼籍に入ってしまったが、はな子を通じてその想いは子どもたちに受け継がれる――。

長寿日本一へ

小田原動物園(神奈川県小田原市城内6-1 小田原城址公園内)のゾウのウメ子(推定1947年(昭和22年)生まれ)が2009年(平成21年)9月17日未明に死亡したため、はな子が長寿日本一のゾウとなった。

2013年(平成25年)元旦、はな子は66歳(推定)を迎え、国内の飼育例で歴代最高齢だった神戸市立王子動物園の諏訪子(2008年死亡)を超え、日本最高齢を記録した。1月20日に「お祝いの会」が開かれた。

死去、そして銅像建立

2016年(平成28年)5月26日、東京都はゾウのはな子が永眠したことを伝えた。国内最高齢の69歳だった。ゾウ舎前には、献花台とメッセージ用紙を設置した。
2016年(平成28年)9月3日、お別れ会が開催された。

吉祥寺駅北口前広場に「はな子」の銅像を建てることになり、2016年(平成28年)8月30日から銅像の製作と設置にかかる費用の募金受付が始まった。主催は、武蔵野市、武蔵野商工会議所、武蔵野市商店会連合会、吉祥寺活性化協議会、井の頭自然文化園、武蔵野市開発公社が委員を務める「吉祥寺はな子像設置実行委員会」。2017年(平成29年)3月末まで受け付け、約1800万円が集まった。

銅像の原型制作に選ばれたのは武蔵野市出身の美術家・笛田亜希 (ふえだ あき) さん。自身も幼稚園のころから頻繁にはな子を訪れ、これまでに数えきれないほどのデッサンをしてきた。
はな子の銅像
2017年5月22日 吉祥寺駅北口
後に同園で目撃したワラビーの死をきっかけに「いつかいなくなってしまうはな子の姿を残しておきたい」と、さまざまな素材、形ではな子にまつわる作品を制作してきたという。そのうちの一つ、200号の油彩「はな子-運動場」は在日タイ大使館に贈呈された。
笛田さんは、「ずっと残したいと思っていたから、長持ちし、広く愛される銅像制作に携わることができて、すごくうれしい。飼育環境や年齢の変化など、長いことはな子を見てきた。銅像には50代半ばの、元気そうに遊んでいた姿を形にしたいと思う」と語る。
はな子の銅像
2017年5月22日 吉祥寺駅北口
2017年(平成29年)5月5日、銅像の除幕式が行われた。
銅像の大きさは全長約2.5メートル、高さ約1.5メートルで、鼻を曲げて右前脚をちょこんと上げる、はな子が生前、なじみの見物客だけに見せたというお決まりのしぐさがモチーフとなっている。
はな子の銅像の大きな写真大きな写真
(1920×1592ピクセル, 1673 Kbyte)

吉祥寺美術館が「はな子」と撮影した写真を募集中

吉祥寺美術館が、「はな子」と一緒に写った写真を募集している。2016年(平成28年)12月28日まで、郵送とメールで受け付けている。

幅広い世代の人々によって、さまざまな時期に撮影された記録と、インタビューで呼び起こされる記憶を通して、はな子や武蔵野市周辺、さらには戦後の日本の歩みをたどろうとする試み。収集した写真は2017年(平成29年)9月、記録集としてまとめる予定だ。

参考書籍

表紙 父が愛したゾウのはな子
著者 山川宏治
出版社 現代書林
サイズ 単行本
発売日 2006年09月
価格 1,540円(税込)
rakuten
ISBN 9784774506951
鎖につながれたゾウと飼育員親子の感動物語。いのちの大切さに気づかされる本。
 
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交通アクセス

【鉄道】
JR・井の頭線 吉祥寺駅から徒歩3分。

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(この項おわり)
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