腰痛対策

2013年4月1日 作成

安静がいいとも限らない

腰痛
腰痛の人は全国に推定で2800万人いることが、厚生労働省研究班の調査でわかった。40~60代の約4割が悩んでいるという。

日本整形外科学会と日本腰痛学会は、様々な腰痛の治療法のどれが本当に効くのか、診療指針にまとめた。

腰痛は、背骨の癌や、腰椎骨折、椎間板 (ついかんばん) ヘルニア、脊柱管狭窄 (せきちゅうかんきょうさく) 症などでも起こる。こうした病気が疑われれば、すぐに画像検査をして、もとの病気を治す必要があるという。
一方、こうした病気がなく、原因不明の腰痛は全体の8割以上を占めるという。指針では、こうした腰痛には、抗炎症薬や鎮痛薬などの薬物療法を強く勧める。3カ月以上痛みが続く慢性腰痛では、ストレッチやウオーキングなどの運動もお勧めだ。
また、腰痛にはストレスがよくないと判断された。うつ状態や仕事上の不満、人間関係に悩みがあると、腰痛になったり、治りにくくなったりするとの論文には十分な根拠があったという。このため、慢性腰痛では抗不安薬、抗うつ薬も有効な治療薬に挙げられた。鎮痛薬などが効かず心理的な影響が疑われれば、整形外科医らが処方する。

安静は必ずしもよくないそうだ。日常生活を続けるほうが、痛みが軽くなり、仕事を休む期間が短くなるという。
マッサージや腰の牽引の効果ははっきりした根拠がなかった。いずれも、指針作りの参考にした複数の論文で結論が異なっていた。
朝日新聞,2013年3月24日より

参考書籍

表紙 腰痛診療ガイドライン 2012
著者 日本整形外科学会
出版社 南江堂
サイズ 単行本
発売日 2012年11月
価格 2,420円(税込)
ISBN 9784524269426
 
表紙 痛みをやわらげる科学
著者 下地恒毅
出版社 SBクリエイティブ
サイズ 新書
発売日 2011年09月
価格 1,047円(税込)
ISBN 9784797360905
体や心の痛みがつのると、身体機能の働きに障害が起こります。そして痛みが長く続くほど、身体機能は正常に戻りにくくなるのです。本書では、痛みの正体やその原因、さまざまな痛みの種類、痛みをやわらげる方法などについて、ペインクリニック代表である著者がていねいに解説します。心身の痛みに対する心がまえについて、知っておきましょう。
 

参考サイト

(この項おわり)
header