ネット依存

2013年10月14日 作成
オンラインゲームやSNSにはまり、パソコンの前から離れられず、日常生活の昼夜が逆転、やがて学校や会社に行けなくなるというネット依存が深刻化している。
厚生労働省によると、全国で中高生51万人、成人271万人がネット依存の疑いがあるという。

ネット依存が深刻化

ネット依存
ネット依存の治療を行っている久里浜医療センターでは、2011年(平成23年)7月にネット依存治療研究部門で外来診療を始めた。2013年(平成25年)5月現在、毎週20人の受診者があるという。ほとんどがオンラインゲームにのめり込んでおり、10代が半数、20代を加えると9割を占めるという。患者は5対1の割合で男性が多い。
人気があるのは多人数が同時に参加できるタイプのもので、妙な責任感と信頼感、連帯感が生まれるため、自分一人だけやめるわけにいかないという状況に追い込まれるという。
また、勉強ができる子、とくに進学校に通っている子どもに多いという。ネットの世界の方が、現実社会より成功体験を得やすいということが背景にあるようだ。

ネット依存に陥ると、生活サイクルの昼夜逆転によって学校に通えなくなり、家に引きこもりがちになるだけではない。睡眠障害やうつ症状といった精神面のトラブルを招く。食事を取らなくなり低栄養、視力や筋力の低下、骨粗鬆症といった身体的な症状もきたすようになる。

ネット依存は直接の症状を感じにくい。子どもであれば、解決策を自分で考えつくことは難しく、深刻化していく。
ゲームを取り上げるのも逆効果だ。ゲームがあることで精神的に安定している面があり、取り上げれば不安になる。暴言や暴力で親に当たるようにもなる。

治療にあたる中山秀紀医師は、「結局、いまの社会はネットと切り離すことができない。うまく付き合っていくしかない」と語る。
讀賣新聞,2013年10月13日より

参考書籍

表紙 インターネット・ゲーム依存症 ネトゲからスマホまで
著者 岡田尊司
出版社 文藝春秋
サイズ 新書
発売日 2014年12月19日
価格 885円(税込)
rakuten
ISBN 9784166609956
最新の画像解析により、衝撃的な事実が明らかになったーインターネット依存者の脳内で、覚醒剤依存者と同様の神経ネットワークの乱れが見られたのだ。二〇一三年、アメリカ精神医学会も診断基準に採用。国内推定患者数五百万人の脳を蝕む「現代の阿片」。日本の対策は遅れている。
 
表紙 ネット依存の“病み”から脱けだせ!
著者 遠藤美季
出版社 誠文堂新光社
サイズ 単行本
発売日 2013年12月12日
価格 1,512円(税込)
rakuten
ISBN 9784416713891
 
表紙 ネット依存症
著者 樋口進
出版社 PHP研究所
サイズ 新書
発売日 2013年11月15日
価格 820円(税込)
rakuten
ISBN 9784569814988
1990年代半ばから「インターネット依存症」という言葉が聞かれるようになった。ただその頃は、まだほんの一部の特殊な人たちのことで、自分には関係ないと考える人が多かった。ところが、いまではもっと身近なものになっている。最初は誰でも「自分は単に人より少しネットにつながっている時間が長いだけ」と思うにすぎず危機感は持たない。それがやがて、生活に支障を来たすことがあるという。本書では、ネット依存に苦しむ患者さんやその家族のことについて、専門外来をもつ久里浜医療センター院長がわかりやすく解説。最新情報や家族に伝えたいことをまとめた
 
表紙 ネット依存症のことがよくわかる本
著者 樋口進
出版社 講談社
サイズ 全集・双書
発売日 2013年06月11日
価格 1,296円(税込)
rakuten
ISBN 9784062597753
24時間ゲームに夢中。うちの子、依存症?なぜネットをやめることができないのか?ハマる心理から治療法までを専門医が解説。自分でできる依存度チェックテスト付き。
 

参考サイト

(この項おわり)
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