ウォーキングと健康

2025年1月13日 作成

1時間のウォーキングで寿命が6時間延びる可能性

ウォーキングをしている女性
ウォーキングが健康によいことは分かっているものの、どのくらい歩けば効果があるのでしょうか――。
オーストラリア・グリフィス大学の研究チームは、運動不足の人は1時間のウォーキングで平均余命が6時間延びる可能性がある]と発表しました。
研究チームは、年間5,000人の被験者を募集しているアメリカの全国健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey:NHANES)が収集したデータを分析しました。被験者の年齢は2003年(平成15年)~2006年のデータ収集時点で40歳を超えていました。
特定時点での死亡率を追跡する生命表モデルを適用したところ、「すべての40歳以上のアメリカ人が人口の上位25%と同程度の身体運動をするようになれば、余命が平均5.3年長くなる」という結果が示されました。さらに、身体活動が少ない下位25%の人々が最も活動的な上位25%の人々と同じレベルまで身体活動を増やせば、平均余命が約11年長くなる可能性があると研究チームは主張しています。
身体活動が多い上位25%の人々は下位25%と比較して、死亡リスクは73%低いこともわかりました。なお、身体活動が十分多い人はすでに運動によるメリットを得ているため、ウォーキングの時間を長くしてもそれほど大きな違いはない可能性があります。

ウォーキングで腰痛再発リスクは半分に

ウォーキングをしている女性
オーストラリア・マコーリー大学の研究チームは、腰痛から回復した18歳以上の成人701人を対象にスクリーニングしたところ、ウォーキングプログラムの導入と教育介入により、腰痛の再発が大幅に減少すると発表しました。参加者の平均年齢は54歳でした。
研究チームは、参加者を半分ずつのグループに分け、介入群に適用するウォーキングプログラムは、6カ月目までに最低でも週5回30分間歩くようにするといった内容でした。また、実際にどのくらい歩いたかを記録する歩数計や日記帳も支給されました。対照群には特段の介入は行いませんが、思い思いの方法で生活に腰痛予防を採り入れたり、一般的な腰痛治療を受けたりすることはできました。
3年間の実験の結果、ウォーキングをするよう指導されていた人はそうでない人より腰痛が再発しにくいことが確かめられました。具体的には、腰痛が初めて再発するまでの期間が対照群では平均112日だったのに対し、実験群では208日と、再発リスクがほぼ半減していました。

参考サイト

(この項おわり)
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