寝台特急「北斗星」はJR最長距離を運行

1988年3月デビューの豪華寝台列車
寝台特急「北斗星」
2013年5月26日 大宮駅付近 写真:こぱふぅ
JR北海道、JR東日本が上野駅~札幌駅間を運行する豪華寝台列車「北斗星」は、青函トンネルが開業した1988年(昭和63年)3月13日に、初めて東京と北海道を乗り換え無しで直行する列車として運行を開始した。
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寝台特急「北斗星」
2014年3月12日 西川口駅付近 写真:こぱふぅ
北斗星の走行距離は1,214.7kmで、JRグループが運行する定期旅客列車として最長距離だ。
運行開始当初は1日3往復だったが、現在では1往復のみの運行となっている。
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寝台特急「北斗星」
2014年11月4日 写真:こぱふぅ
牽引するEF510 形は、2002年(平成14年)にデビューしたJR貨物の交直両用電気機関車である。
日本海縦貫線・常磐線などで1968年(昭和43年)から使用されてきたEF81 形の後継機として、2010年(平成22年)から貨物輸送や寝台特急「北斗星」、「カシオペア」に充当されている。
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寝台特急「北斗星」
2015年2月3日 古河駅付近 写真:こぱふぅ
東海道・山陽本線などの直流電化区間用としては、現実的な運用パワーを目指して設計されたEF210形をベースに、交直両用機としての開発を行ったのがEF510形である。

蒸気機関車のD51形がデゴイチと呼ばれるように、EF510形も後藤さんという愛称がある。
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寝台特急「北斗星」DD51形
2014年8月22日 五稜郭駅付近 写真:こぱふぅ
函館駅~札幌駅間で牽引するのは、旧国鉄が1962年(昭和37年)から1978年にかけて製造した DD51形ディーゼル機関車である。
寝台特急「北斗星」DD51形の大きな写真大きな写真
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寝台特急「北斗星」DD51形
2012年3月29日 白石駅 写真:こぱふぅ
青を基調とし、流星マークを付けた「JR北海道色」もしくは「北斗星色」と称される塗装を施されている。
寝台特急「北斗星」DD51形の大きな写真大きな写真
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寝台特急「北斗星」DD51形
2014年8月22日 白石駅 写真:こぱふぅ
客車は24系25形で、11両編成になっている。
寝台特急「北斗星」DD51形の大きな写真大きな写真
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寝台特急「北斗星」DD51形
2014年9月9日 上野駅 写真:こぱふぅ
客車は24系25形で、11両編成になっている。
A寝台は1人用個室のロイヤル、2人用個室のツインデラックス。B寝台は1人用個室のソロ、2人用個室のデュエット、Bコンバート、開放式B寝台がある。
食堂車「グランシャリオ」ではフランス料理か懐石料理を選べる。
寝台特急「北斗星」DD51形の大きな写真大きな写真
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寝台特急「北斗星」DD51形
2014年9月9日 上野駅 写真:こぱふぅ
JR北海道保有の客車外壁にはエンブレムが付いており、北斗星だけでなく北国の夜空を彩る星々をイメージしているという。
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ブルートレインが姿を消す日

車体の老朽化が進んでいることや2016年(平成28年)春の北海道新幹線開業を受け、2015年(平成27年)3月14日のダイヤ改正で定期運行の取りやめが決まった。最終列車が出発したJR上野駅では、約3千人のファンが別れを惜しんだ。
この後、臨時列車として運行を続けていたが、2015年(平成27年)8月22日16時12分に札幌を出発し、上野に翌日9時25分に到着する列車をもって完全引退となる。最終列車の切符は、7月22日10時、全国のみどりの窓口などで発売されると同時に売り切れた。
青い塗装のブルートレインは、ダイヤからその姿を消すことになる。

北海道新幹線は青函トンネルを含む約82キロが新幹線と在来線の共用区間になる。2015年(平成27年)3月以降は新幹線の試験運行の影響もあり、北斗星は夏場などの臨時運行となる。

ハイレゾ音源「北斗星ラストラン上野駅発着シーン」

2015年(平成27年)3月27日、ソニーマーケティングはハイレゾ音源配信サイト「mora」で「北斗星ラストラン上野駅発着シーン」の無料配信を開始した。ソニーのリニアPCMレコーダー「PCM-D100」2台で収録し、192kHz/24bitのFLACで配信している。

監修したのは、鉄道ファンとして知られる音楽プロデューサーの向谷実 (むかいや みのる) さんだ。向井さんは「「けたたましく鳴り響く汽笛や、電気機関車のブロワー音、電源車の唸るような音、客車が揺れる音‥‥もう聴けることのない最後の“姿”が、横を通過し遠のいていく、または近づいてくる様は必聴。通過する空気の動きまでも感じることができ、切なさがこみ上げます」と語る。

トレインホステル北斗星

2016年(平成28年)12月15日、北斗星の備品を再利用した宿泊施設「トレインホステル北斗星」がオープンした。
相部屋の客室には、北斗星のB寝台などで使われていた2段ベッド、半個室にはA寝台ロイヤルのベッドを使用。ラウンジには、食堂車などのテーブルや椅子が使われている。トイレドアの案内表示など細かい部品も再利用されている。
全78ベッドで、1泊2,500円から。英語を話せるスタッフをそろえ、外国人観光客の利用を想定している。

参考サイト

寝台特急北斗星 関連
(この項おわり)
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