発言者
土光敏夫 (どこう・としお) |
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石川島重工業社長、東京芝浦電気社長、臨時行政調査会会長 | ||
1975/10/21 |
場面
今の大学は、人間尊重とかいって、人間をちっとも尊重していない。ただ知識を吸収させるエリート教育をしているだけだ。一流大学は就職へのパスポートだ、なんていっているが、何か一流なのか、ぼくにはさっぱりわからない。
教育なんてものは、ほんとうをいえば、人間を創るんでしょう。人間とは、人間らしいということでしょう。
ぼくは“人間像”なんて嫌いだ。個性をもって、人間らしく生きればいい。松の木なら松の木に育てたらいい。悪い枝を切り、虫がついたらとってやり、コヤシをやる。それが教育というものであって、松の木を杉の木に育てる必要は、どこにもないのである。
「土光敏夫の哲学」(PHP研究所/2002年)39ページより
コメント
「松の木」と「杉の木」の比喩にニヤリとさせられた。この発言から30年、相変わらず勘違いしている人は多い。本人より親の方に多いかもしれない。

「アヒルの子はアヒル」であり、コウノトリのミスがない限り、白鳥には育たない。アヒルと白鳥のどちらが優れているかという議論は無意味だ。なぜなら、アヒルの群れに混じっている白鳥の子というのも不幸なのだから。

「アヒルの子はアヒル」であり、コウノトリのミスがない限り、白鳥には育たない。アヒルと白鳥のどちらが優れているかという議論は無意味だ。なぜなら、アヒルの群れに混じっている白鳥の子というのも不幸なのだから。
参考書籍
(この項おわり)