発言者
竹内薫 (たけうち・かおる) |
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2006年2月20日 |
場面
常識は仮説にすぎないのです。「99.9%は仮説」(若田光一/講談社/2009年02月)33ページ
コメント
「99.9%は仮説」は、「科学はほとんど仮説の集まり」という主張で書かれている。「仮説だからこそ、ある日突然くつがえります」(35ページ)とも述べている。

「飛行機はなぜ飛ぶのか? 実はよくわかっていない」という冒頭で始まり、ノーベル賞を受賞したロボトミー手術が“トンデモ”になってしまった顛末や、冥王星が惑星の地位から陥落することを予言するなど、事実に基づく明解な主張を展開している。その筆致は、まるで探偵が推理を開陳するようであり、ミステリー作家の面目躍如といったところか。
著者は終盤に、「科学と真理は、近づくことはできてもけっして重なることはできない、ある意味とても切ない関係」(153ページ)と指摘する。

子どもの頃、漫画や学校教育で科学が万能だと信じていた私が、大学で大きな疑問を感じたのが、まさにその点であった。これが1つの契機となり、私は大学を辞め、情と金で動くサラリーマンの世界に身を置くこととなった。
だが、バブル崩壊を経て、金も真理の基準になるものではないことを目の当たりにした。そして、自分の子どもが理科を学ぶ年齢になり、太陽系第9番惑星「冥王星」が惑星ではなくなってしまった。
まことに世は「諸行無常」と感じる今日この頃である。

「飛行機はなぜ飛ぶのか? 実はよくわかっていない」という冒頭で始まり、ノーベル賞を受賞したロボトミー手術が“トンデモ”になってしまった顛末や、冥王星が惑星の地位から陥落することを予言するなど、事実に基づく明解な主張を展開している。その筆致は、まるで探偵が推理を開陳するようであり、ミステリー作家の面目躍如といったところか。
著者は終盤に、「科学と真理は、近づくことはできてもけっして重なることはできない、ある意味とても切ない関係」(153ページ)と指摘する。

子どもの頃、漫画や学校教育で科学が万能だと信じていた私が、大学で大きな疑問を感じたのが、まさにその点であった。これが1つの契機となり、私は大学を辞め、情と金で動くサラリーマンの世界に身を置くこととなった。
だが、バブル崩壊を経て、金も真理の基準になるものではないことを目の当たりにした。そして、自分の子どもが理科を学ぶ年齢になり、太陽系第9番惑星「冥王星」が惑星ではなくなってしまった。
まことに世は「諸行無常」と感じる今日この頃である。
発言者による著作物
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99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 | ||
著者 | 竹内薫 | ||
出版社 | 光文社 | ||
サイズ | 新書 | ||
発売日 | 2006年02月 | ||
価格 | 770円(税込) | ||
ISBN | 9784334033415 | ||
「最近どうも頭が固くなってきたなぁ」そんなあなたにつける薬は“科学”です。文系理系を問わず、科学のホントの基本を知るだけで、たったそれだけで、あなたの頭はグニャグニャに柔らかくなるかもしれないのです。科学の基本ーそれは、「世の中ぜんぶ仮説にすぎない」ということです。思いこみ、常識、前例、先入観、固定観念…そういったものにしばられて身動きがとれなくなっている人っていますよね?「なんでこんな簡単な話が通じないんだ!」ってイライラしますよね?そんなときは、気休めにこの本を読んでみてください。きっと、ものの考え方から世界の見え方まで、すべてがガラリと音を立てて変わるはずですから。 | |||
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素数はなぜ人を惹きつけるのか | ||
著者 | 竹内薫 | ||
出版社 | 朝日新聞出版 | ||
サイズ | 新書 | ||
発売日 | 2015年02月13日頃 | ||
価格 | 792円(税込) | ||
ISBN | 9784022736031 | ||
素数はミステリアスな数である。2、3、5、7と現れたかと思えば次は11。出没が気まぐれなのだ。人類はこの数の規則性を明らかにするために途方もない研究の歴史を積み重ねてきた。本書では文系にもわかりやすく奥深い素数の世界を解説する。 | |||
(この項おわり)