健康とは人生を楽しむためのもの

久保利英明

発言者

  久保利英明 (くぼた・ひであき) 久保利英明
  弁護士、日比谷パーク法律事務所代表
   
  2006年10月16日

場面

日本経済新聞のインタビューにて。

コメント

インタビュー記事では、「最近、行き過ぎた健康志向が目につきます。体に悪いからたばこを吸うな。酒は控えろ。塩分を減らせ。肉は食べるな。共通するのは『××してはいけない』というネガティブな発想です。健康とは、人生を楽しむための、もっと前向きなものであるはずです。後ろ向きの健康志向など本末転倒というしかありません」と述べている。

「ネガティブ」がどうかは別として、たしかに「××してはいけない」という健康ハウツーが多い。愛煙家は肩身が狭いし、肉食は知的レベルが低いと見られるようである。
私はタバコは吸わないが、健康のためではない。若い頃に興味本位で吸ってみたことはあるが、美味しいと思わなかったので吸っていないだけである。肉は好きである。酒もは弱いが、誘われたら断らない。塩分はテキトー。紫外線は、黒こげにならない程度に浴びる。
で、現在の体重は‥‥明らかに肥満である。だが、痩せていたときより具合はよい。肩こりや頭痛は減ったし、冬場のアカギレや痔も無くなった。好きなトンカツを諦めてまで、ダイエットに励む動機が見あたらない。

確かに高血圧・高脂血症になったら考えなくてはならないだろうが、一律に腹囲85センチ以上(男性の場合)を閾値とするのはいかがなものか。身長が高かろうが低かろうが、一律の数字を基準にするのは客観性を欠く。しかも、女性の方は男性より平均身長が低いにもかかわらず、腹囲90センチ以上が閾値とされる。

ヒトには多様性があるのだから、一人一人、健康の基準が異なるのが当然である。にもかかわらず、ある特定の値を境にして、健康である/健康でないを区切るという考えは非現実的である。

発言者による著作物

表紙 「交渉上手」は生き上手
著者 久保利 英明
出版社 講談社
サイズ 新書
発売日 2010年04月21日頃
価格 921円(税込)
ISBN 9784062726504
夫婦・上司・面接 人生は交渉の連続である! 企業が選ぶ弁護士ランキングで連続登場!トップ弁護士が教える「幸せになる技術」 世の中には交渉術の本があふれかえっている。それだけ交渉の重要性は誰でも理解しているということかもしれない。それなのに、否、それゆえにか、どの本も交渉に勝つための術策で埋められている。交渉に勝て、相手をやっつけろ、少しでも利得を大きくするためにどうするかというテクニックが満載されている。(中略)しかし、人生が連続する交渉の場であるとすれば、いつも、勝ち続けるなどということがあり得るのだろうか。仮に、いつも人に勝ち続けたとして、そのような人は成功者として尊敬され、幸福に包まれているのだろうか。 ●2人以上になれば交渉が始まる ●面接試験は人生最大級の交渉 ●交渉の名人は「貸し」をつくる ●大岡越前は何を裁いたのか ●勝海舟と西郷隆盛、勝者は誰? ●ハードネゴシエーターへの幻想 ●「アメ」ほど効くものはない ●苦情処理係のノウハウに学ぶ ●気の弱い人にも武器はある ●勝ちすぎはよくない
 
表紙 志は高く 目線は低く
著者 久保利英明
出版社 財界研究所
サイズ 単行本
発売日 2016年02月
価格 1,650円(税込)
ISBN 9784879321138
約50年前の司法試験合格の日、独立機運高まるアフリカ行きを決意。大陸の奥地に分け入り、未知の人たちとの出会いが気骨ある弁護士活動の礎石となった。
 
(この項おわり)
header