発言者
野依良治 (のより・りょうじ) |
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政府の教育再生会議座長、ノーベル化学賞受賞者 | ||
2006年12月8日 |
場面
「規範意識・家族・地域教育再生分科会」第3回会合で、「我々は塾に行かずにやってきた。大学も誰でも入れるようになっている。難しくない。塾の商業政策に乗っているのではないか」と発言し、論議を呼んだ、
コメント
野依氏は、兵庫県芦屋市に生まれ、灘高校、京都大学工学部工業化学科を卒業するという、バリバリのエリートである。だが、この会合の席上では、「我々のころは、部活もやって、その後、休憩してご飯を食べて、勉強していた。塾も行っていない」と発言している。
その真意は「公教育を再生させる代わりに塾禁止とする」という点にあるのだが、あまりにもストレートな発言であったためか、官僚による作文から削除されてしまったようだ。

現実には、親によほどの覚悟がないと、これは難しいだろう。たとえば、隣の子が進学塾に通って、たまたま学校のテストの成績が良くなったら、自分の子を塾に通わせないままではおけないだろう。そして、クラスの大半が塾に通うようになる。そんな中、一人だけ塾に行かないとしたら、その子はいじめられるだろう。
これが、日本人の悲しい性である。この日本人気質がバブルを引き起こし、遡れば太平洋戦争を長引かせたのである。
日本は、エリートが育ちにくい風土なのかもしれない。

我が家では、子どもをエリートにするかどうかとは関わりなく、この悪しき性質を断ち切りたい。これから先、かなりの覚悟をしなければならないと思う。
その真意は「公教育を再生させる代わりに塾禁止とする」という点にあるのだが、あまりにもストレートな発言であったためか、官僚による作文から削除されてしまったようだ。

現実には、親によほどの覚悟がないと、これは難しいだろう。たとえば、隣の子が進学塾に通って、たまたま学校のテストの成績が良くなったら、自分の子を塾に通わせないままではおけないだろう。そして、クラスの大半が塾に通うようになる。そんな中、一人だけ塾に行かないとしたら、その子はいじめられるだろう。
これが、日本人の悲しい性である。この日本人気質がバブルを引き起こし、遡れば太平洋戦争を長引かせたのである。
日本は、エリートが育ちにくい風土なのかもしれない。

我が家では、子どもをエリートにするかどうかとは関わりなく、この悪しき性質を断ち切りたい。これから先、かなりの覚悟をしなければならないと思う。
発言者による著作物
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事実は真実の敵なり―私の履歴書 | ||
著者 | 野依良治 | ||
出版社 | 日経BPM(日本経済新聞出版本部) | ||
サイズ | 単行本 | ||
発売日 | 2011年04月 | ||
価格 | 2,200円(税込) | ||
ISBN | 9784532167721 | ||
湯川秀樹博士に憧れて歩んだ科学の道、ノーベル賞までの知られざる足跡、間近で目にした「科学者」としての天皇陛下ー。稀代の化学者が半生を語り尽くす。 | |||
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研究はみずみずしく―ノーベル化学賞の言葉 | ||
著者 | 野依良治 | ||
出版社 | 名古屋大学出版会 | ||
サイズ | 単行本 | ||
発売日 | 2002年10月 | ||
価格 | 2,420円(税込) | ||
ISBN | 9784815804497 | ||
研究成果を分かりやすく紹介した記念講演をはじめ、科学・社会・教育など多方面にわたる、ノーベル賞化学者からの熱きメッセージ。 | |||
(この項おわり)