できない理由を探すのを止める

三浦 雄一郎

発言者

  三浦 雄一郎 (みうら・ゆういちろう) 三浦 雄一郎
  冒険スキーヤー
   
  2007年3月6日

場面

もう歳だとか、体力がないとか、お金はどうするんだとか、できない理由を数えていたのを止めて、とにかくチャレンジしてみようと決めたんだ。最初は500mの山に登るのも息があがるほど衰えていたけどね。足に1kgの重りを着けて散歩するところからトレーニングを始めたんだよ。毎日の一歩ずつがエベレストの頂上につながってると思えば、つらくなんてなかったね。
「日経Venture's Eye」の記事

コメント

私は、論理的に整合性がある事象は、すべてコンピュータ・プログラムとして表現できると考えている。
しかし、これが仕事となると、プログラムにしてはいけないケースがある。

たとえば、プログラムにすると莫大なコストがかかる場合――これは当たり前のこと。そして、低コストでプログラム化できたとしても、使う人がほとんどいない場合――いわゆる“マニアックな”プログラムのことである。プログラム化することで、急激にリストラが進められるような場合も考え物である――経営者は喜ぶだろうが、同じサラリーマンとしては、心が痛む。
そのとき、われわれは「できない理由」を探さなければならない。「何となくできない」では小学生以下である。

一般的に、SEは「できない理由」を探すのに長けている。しかし、上司が、経営者が「やれ!」と号令をかけた途端に、われわれ技術者は「できない理由を探すのを止め」なければならない。その先に待っているのは、バラ色の未来か、はたまたデスマーチか――エベレスト山頂を目指す冒険家の気分である。
(この項おわり)
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