自分は自分だ

オスカー・ピストリウス

発言者

  オスカー・ピストリウス (Oscar Leonard Carl Pistorius) オスカー・ピストリウス
 
   
  2008年9月10日

場面

1986年(昭和61年)11月生まれ。
生まれつき両膝から下がなく、カーボン製の義足を巧みに操り、北京パラリンピックの陸上短距離で金メダルを3つ獲得した。

北京オリンピックに400mで出場を目指していたが、国際陸上競技連盟(IAAF) はカーボン製の義足による推進力が競技規定に抵触するとするとしてこれを却下。しかし、スポーツ仲裁裁判所(CAS) はIAAFの判断を覆し、ピストリウスが健常者のレースに出場することを認める裁定を下した。
結局、7月の競技会で参加標準記録に届かなかっため北京五輪出場は断念したが、4年後のロンドン五輪を目指している。

インタビューで「もしも足があったら」と聞かれたときには、「足がある人が、もしも義足だったらと考えるのと同じだと思う。自分は自分だ」と答えることにしているとのこと。

コメント

けっして、まわりと比較してはいけない」(渡邊美樹・ワタミ代表取締役社長)という言葉にも表れているとおり、本当の闘いは自分自身との闘いである。自分を評価する軸は、陸上アスリートなら時計、勉強ならテストの点数といったところだろう。
その努力の結果が個性に繋がるのだと思う。

そこで、ゆとり教育でも、他人との比較から導かれる相対評価ではなく、その子の能力を評価する絶対評価が導入された。
しかし、両足が揃っている健常人が、義足の選手の能力を評価できるわけがない。先生や指導者は神ではないのである。ヒトがヒトの能力を客観的に絶対評価するのは不可能である。
(この項おわり)
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