完全に無縁なんていう人はいない

板垣淑子

発言者

  板垣淑子 (いたがき・よしこ) 板垣淑
  NHK報道局社会番組ディレクター
   
  2010年4月3日

場面

週刊ダイヤモンド4月3日号の特集「無縁社会」のインタビューに応じて、板倉は次のように語っている。
取材してみると、完全に無縁なんていう人はいないんです。今の無縁というのは、親族や故郷はあるんだけど、それらが機能していない。縁がないのではなく「縁が機能しない」ということなんです。その人が自ら一人ぼっちの生活を選択したのだとしても、その結果、社会の救済システムが届かないところにすぐ転がり落ちてしまう危うさがある。そこに問題があるのだと考えています。

コメント

家系図づくりが流行っているという。
人間誰もが二人の親がいるわけだし、親が死去していたとしても何らかの血縁者はいるはずである。
だが、出身地から遠く離れた土地に働きに出ているとか(その多くが東京だろう)、ちょっとしたことで親と不仲になった結果、自らは無縁だと感じるようになるのではないだろうか。

ネットワーク上に関係を見いだすことはできても、それを縁につなげることは難しい。
(この項おわり)
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