若者は海外に出よ

根岸英一

発言者

  根岸 英一 (ねぎし えいいち) 根岸英一
  米パデュー大学特別教授
   
  2010年10月7日

場面

2010年(平成22年)のノーベル化学賞を受賞した根岸英一・米パデュー大学特別教授は、記者会見で、内向き志向が指摘される日本人研究者らに「若者は海外に出よ」と呼び掛ける一方、受賞については「大変なおまけがついてきた」と声を弾ませた。
会見後、数百人の大学生を前に「まだまだやりたいことがある」とスピーチした。
共同通信,2010年(平成22年)10月7日

コメント

根岸教授の発言に合わせたように、文部科学省は「国際研究交流の概況(平成20、21年度)」を公表。海外に長期派遣される国内の研究者数がこの数年、ピーク時の約10年前と比べて半分以下にとどまっているとした。
研究留学や調査などで連続31日以上、海外に滞在した研究者は、記録を確認できる1990年代前半以降、ほぼ増加傾向が続き、2000年度には1年間で延べ7600人を超えた。しかし、その後は減少傾向となり、08、09年度はいずれも3700人あまりにとどまった。

担当者は、「日本の研究環境が整い、あえて海外に挑戦する研究者が少なくなっている面もあるのではないか」と話しているというが、これは文部科学省の自画自賛というものではなかろうか。
研究環境の問題ではなく、海外から日本を見つめ直すことが重要だと思う。
(この項おわり)
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