発言者
| 池井戸潤 (いけいど・じゅん) |
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| 作家 | ||
| 2016年1月5日 |
場面
『下町ロケット２』の作者。作中で、サヤマ製作所のデータ偽装を知った佃がこう言う。
「姑息な了見が通るほど、世の中ってのは甘くないんだよ」
池井戸さんは、この言葉がコンプライアンスの本質だという。
日本では「コンプライアンス」という言葉の訳語として「法令順守」が定着したが、その結果、もともと「コンプライアンス」という言葉に含まれていたモラルの要素が抜け落ちて、法令を守るという企業にとっては当たり前の狭い概念になってしまった。
欧米だったら「神に恥じないよう」行動を律する。日本では「神」の代わりに「世間」があった。「お天道様に恥ずかしいことをするな」が相当する。
池井戸さんは、世間というか、社会の多くの人々の集合知を信頼しているという。姑息な人間は長い一生のなかで必ずぼろを出すし、誠実な人の仕事はいつか評価されると思っている。
「姑息な了見が通るほど、世の中ってのは甘くないんだよ」
池井戸さんは、この言葉がコンプライアンスの本質だという。
日本では「コンプライアンス」という言葉の訳語として「法令順守」が定着したが、その結果、もともと「コンプライアンス」という言葉に含まれていたモラルの要素が抜け落ちて、法令を守るという企業にとっては当たり前の狭い概念になってしまった。
欧米だったら「神に恥じないよう」行動を律する。日本では「神」の代わりに「世間」があった。「お天道様に恥ずかしいことをするな」が相当する。
池井戸さんは、世間というか、社会の多くの人々の集合知を信頼しているという。姑息な人間は長い一生のなかで必ずぼろを出すし、誠実な人の仕事はいつか評価されると思っている。
朝日新聞，2016年1月6日
コメント
『「法令遵守」が日本を滅ぼす』（郷原信郎＝著／新潮社／2007年（平成19年）1月）を読んで、「コンプライアンス遵守」を錦の御旗に掲げ、自ら思考することを止め、戦争に突入していった戦前の日本社会を連想した。
池井戸さんは、コンプライアンス遵守の権化である銀行を勤め上げた経歴を持つ作家さんだ。その経験をベースに、「半沢直樹」シリーズを上梓し、前作『下町ロケット』で直木賞を受賞した。その池井戸さんが言う言葉だけに、重みがある。
『千年、働いてきました』（野村進＝著／角川書店／2006年（平成18年）11月）によると、わが国には創業100年を超える老舗企業が10万以上あるという、世界有数の老舗大国である。その老舗を支えているのは、誠実な経営者、誠実な社員の仕事ぶりであることは言うまでもない。
池井戸さんは、コンプライアンス遵守の権化である銀行を勤め上げた経歴を持つ作家さんだ。その経験をベースに、「半沢直樹」シリーズを上梓し、前作『下町ロケット』で直木賞を受賞した。その池井戸さんが言う言葉だけに、重みがある。
『千年、働いてきました』（野村進＝著／角川書店／2006年（平成18年）11月）によると、わが国には創業100年を超える老舗企業が10万以上あるという、世界有数の老舗大国である。その老舗を支えているのは、誠実な経営者、誠実な社員の仕事ぶりであることは言うまでもない。
発言者による著作物
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下町ロケット2 ガウディ計画 | ||
| 著者 | 池井戸潤 | ||
| 出版社 | 小学館 | ||
| サイズ | 単行本 | ||
| 発売日 | 2015年11月05日 | 
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| 価格 | 1,620円（税込） |
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| ISBN | 9784093864299 | ||
| ロケットから人体へー佃製作所の新たな挑戦！前作から５年。ふたたび日本に夢と希望と勇気をもたらすエンターテインメント長編！！ | |||
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下町ロケット | ||
| 著者 | 池井戸潤 | ||
| 出版社 | 小学館 | ||
| サイズ | 文庫 | ||
| 発売日 | 2013年12月21日 |
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| 価格 | 777円（税込） |
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| ISBN | 9784094088960 | ||
| 研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。創業以来のピンチに、国産ロケットを開発する巨大企業・帝国重工が、佃製作所が有するある部品の特許技術に食指を伸ばしてきた。特許を売れば窮地を脱することができる。だが、その技術には、佃の夢が詰まっていたー。男たちの矜恃が激突する感動のエンターテインメント長編！第１４５回直木賞受賞作。 | |||
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ロスジェネの逆襲 | ||
| 著者 | 池井戸潤 | ||
| 出版社 | 文藝春秋 | ||
| サイズ | 文庫 | ||
| 発売日 | 2015年09月02日 |
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| 価格 | 756円（税込） |
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| ISBN | 9784167904388 | ||
| 子会社・東京セントラル証券に出向した半沢直樹に、ＩＴ企業買収の案件が転がり込んだ。巨額の収益が見込まれたが、親会社・東京中央銀行が卑劣な手段で横取り。社内での立場を失った半沢は、バブル世代に反発する若い部下・森山とともに「倍返し」を狙う。一発逆転はあるのか？大人気シリーズ第３弾！ | |||
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銀翼のイカロス | ||
| 著者 | 池井戸潤 | ||
| 出版社 | ダイヤモンド社 | ||
| サイズ | 単行本 | ||
| 発売日 | 2014年08月01日 |
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| 価格 | 1,620円（税込） |
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| ISBN | 9784478028919 | ||
| 頭取命令で経営再建中の帝国航空を任された半沢は、５００億円もの債権放棄を要求する政府の再生タスクフォースと激突する。シリーズ史上最大の倍返し！ | |||
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オレたちバブル入行組 | ||
| 著者 | 池井戸潤 | ||
| 出版社 | 文藝春秋 | ||
| サイズ | 文庫 | ||
| 発売日 | 2007年12月 |
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| 価格 | 712円（税込） |
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| ISBN | 9784167728021 | ||
| 大手銀行にバブル期に入行して、今は大阪西支店融資課長の半沢。支店長命令で無理に融資の承認を取り付けた会社が倒産した。すべての責任を押しつけようと暗躍する支店長。四面楚歌の半沢には債権回収しかない。夢多かりし新人時代は去り、気がつけば辛い中間管理職。そんな世代へエールを送る痛快エンターテインメント小説。 | |||
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オレたち花のバブル組 | ||
| 著者 | 池井戸潤 | ||
| 出版社 | 文藝春秋 | ||
| サイズ | 文庫 | ||
| 発売日 | 2010年12月10日 |
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| 価格 | 712円（税込） |
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| ISBN | 9784167728045 | ||
| 「バブル入社組」世代の苦悩と闘いを鮮やかに描く。巨額損失を出した一族経営の老舗ホテルの再建を押し付けられた、東京中央銀行の半沢直樹。銀行内部の見えざる敵の暗躍、金融庁の「最強のボスキャラ」との対決、出向先での執拗ないじめ。四面楚歌の状況で、絶対に負けられない男達の一発逆転はあるのか。 | |||
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空飛ぶタイヤ | ||
| 著者 | 池井戸潤 | ||
| 出版社 | 実業之日本社 | ||
| サイズ | 文庫 | ||
| 発売日 | 2016年01月14日 |
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| 価格 | 1,080円（税込） |
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| ISBN | 9784408552729 | ||
| 走行中のトレーラーから外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。タイヤが飛んだ原因は「整備不良」なのか、それとも…。自動車会社、銀行、警察、記者、被害者の家族ら、事故に関わった人たちの思惑と苦悩。「容疑者」と目された運送会社の社長が、家族・仲間とともに事故の真相に迫る。圧倒的感動を呼ぶエンターテインメント巨編！ | |||
（この項おわり）
