全部合わせると100年くらいやってるんです

タモリ

発言者

  タモリ タモリ
  タレント、司会者
   
  2018年1月5日

場面

「おれねえ、あんまり自分がないんでね」と語るタモリ――取材はめったに受けず、出演した番組も見ないことで知られる。
「テレビに出てる自分は好きじゃない。嫌なやつだなあと思って。わざとらしいし野心がアリアリで」とも。

朝日新聞のインタビューに応じて――
(記者)「タモリ倶楽部」や「ミュージックステーション」も長寿番組です。
(タモリ)長いんですよ。全部合わせると100年くらいやってるんですよね。俺そんなに生きてないんですけどね。
(記者)「自分」については、以前からあまりお話になりませんね。
(タモリ)ええ。もうお恥ずかしい次第ですよ。自分のことは本当にしゃべりたくないですね。まあ内容がないっていうのが、だいたいそもそもで。
本当にねえ、みなさんねえ、過剰にねえ、評価して頂いて。「詳しいので」って取材のお話があるんですが、もう全然詳しくない。最近ますます、もう恐れ多くて、全部断っているんですよ。この年になって、バカをさらしたくないんで。
趣味も、もうぜんっぜん、浅いです。浅いですよ。
(記者)大学では哲学を専攻されていました。
(タモリ)いや、一応ね、悩んだんですよ(笑い)。自分はなんだろうかなとか。そこに行きゃあわかるだろうからなって。いやー全然わかんなかったですね。
(記者)以前、フランスの哲学者ベルクソンに言及されていました。
それも読みましたけども、結局わかんないですねえ。ますます西洋の方の考え方がわかんなかったですね。
仏教の方がまだわかる。すごい違和感があるし、どうしてこういう考え方をするんだろうと思うけども、ちょっと正解に近いような感じがするんですよね。大してわかんないですけども、勘としては。
朝日新聞,2018年1月5日

コメント

「オールナイトニッポン」でパーソナリティを務めたとき、初めて声を聞いた。なんと不条理な人なのだろうかと感じた。後になって知ったのだが、漫画家・赤塚不二夫に見いだされたそうである。さもありなん。
間もなく、テレビで見かけるようになった。民放やNHKを問わず、どの番組でも顔を見るようになった。

早稲田大学で西洋哲学を学ぶも中退。善き福岡人であり、ジャズを好み、トランペットを吹く。芸能界に入るにあたり、組織には属さず、誰の弟子にもならないという戒律を立てたとか。
自分を主張せず、にもかかわらず仕事を長く続けられるのは、サラリーマン経験の賜物か。

発言者による著作物

表紙 新訂版 タモリのTOKYO坂道美学入門
著者 タモリ
出版社 講談社
サイズ 単行本
発売日 2011年10月
価格 1,760円(税込)
ISBN 9784062172745
「坂道」の世界にようこそ! 日本坂道学会副会長のタモリがTOKYOを激写し、こだわりの「よい坂」を紹介。散策によし、デートによし! これ1冊でいつもの街歩きが断然面白く変わります! タモリが考える「よい坂」とはーー 1. 勾配が急である 2. 湾曲している 3. まわりに江戸の風情がある 4. 名前にいわれがある。(この作品は『TOKYO★1週間』の連載を2004年10月に単行本化したものです) 江戸の坂道は、おもしろい! タモリがTOKYOを激写! 散策によし、デートによし、街歩きの決定版! タモリの「よい坂」の条件はーー 1 勾配が急である 2 湾曲している 3 まわりに江戸の風情がある 4 名前にいわれがある 港区の坂 文京区の坂 目黒区の坂 新宿区の坂 その他の区の坂
 
(この項おわり)
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