『夜空はなぜ暗い?』――オルバースのパラドックス

エドワード・ハリソン=著
表紙 夜空はなぜ暗い?
著者 エドワード・ハリソン/長沢工
出版社 地人書館
サイズ 単行本
発売日 2004年11月
価格 2,640円(税込)
ISBN 9784805207505
計算によってシェゾーは、天の半球が星々に覆われると、太陽の9万倍の明るさになることを発見した。この結果は、すべての星が太陽と同じ天体であるという仮定と、天球の面積が、太陽の見かけの面積の18万倍であるという事実とから導き出されたものである。(124ページ)

概要

夜のイラスト
宇宙はなぜ暗い――いわゆる「オルバースのパラドックス」について、古代ギリシアから宇宙論を解説しながら、その謎解きを試みている。宇宙論を知らない方にも読みやすく(監訳者の長沢工さんの天文書はいつも読みやすい!)、巻末の参考資料が充実しているので、これから宇宙論を調べようという人にもお薦めする。
オルバースのパラドックス」は、宇宙には無数の恒星(太陽)があるのに、なぜ昼間のように明るくならないのか、という子供でも分かる謎かけである。ところが、この解答を見つけるために膨大な時間がかかった。最新のビッグバン理論を持ち出せば片付くかというと、それでも解けないのだ。本書を読み進んでいけば、難しい天文や物理の話は一切無しで、純粋な論理パズルとして楽しめるだろう。

ちなみに、本書を読み進めていくと、「オルバースのパラドックス」を初めて示したのはオルバース本人ではない、といったエピソードも書かれていて、読み物としても面白い。
(2005年10月9日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
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