監視カメラ社会 | |||
著者 | 江下雅之 | ||
出版社 | 講談社 | ||
サイズ | 新書 |
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発売日 | 2004年02月20日頃 | ||
価格 | 924円(税込) | ||
ISBN | 9784062722421 |
インフォーマルな関係で結束した家族的組織運営は、日本企業の古きよき慣習だったかもしれない。しかし、コンピュータとインターネットという強力な自己表現ツールを個人が手にしてしまったいま、強固な同族集団でもないかぎり、人の善意や忠誠心を前提にしたシステム運営は成立しえないのではないか、と私は考える。(82ページ)
概要
タイトルにある「監視カメラ」だけでなく、電話やインターネットの盗聴システムなど、ネットワーク社会にあってはプライバシーがないということについて、具体例を挙げながら主張している。
国際電話を盗聴するエシュロン、オウムを追跡した Nシステム、違法行為やテロを防ぐためにP2Pを監視するシステム‥‥社会秩序を守るためにはこうしたシステムは必要であろう。
また、監視を行う者を管理する体制が必要なのではないかという考えがある。では、監視を行う者を管理する者を監視しなくてよいのか‥‥こうなってくると強迫観念に近いものがある。
ITによって、我々は本当に幸せになれたのだろうか――IT技術者として、常に頭に置いておかなければならない問題だ。
国際電話を盗聴するエシュロン、オウムを追跡した Nシステム、違法行為やテロを防ぐためにP2Pを監視するシステム‥‥社会秩序を守るためにはこうしたシステムは必要であろう。
また、監視を行う者を管理する体制が必要なのではないかという考えがある。では、監視を行う者を管理する者を監視しなくてよいのか‥‥こうなってくると強迫観念に近いものがある。
ITによって、我々は本当に幸せになれたのだろうか――IT技術者として、常に頭に置いておかなければならない問題だ。
筆者は後書きでこう述べている。「テクノロジーの進歩が速ければ速いほど、我々は何を失ったのかを気づかずに時間を過ごしてしまう。スローライフが注目されるようになったのも、それに対する不安が大きいからではなかろうか」。
(2005年11月20日 読了)
参考サイト
- 監視カメラ社会:講談社
(この項おわり)