『「駅すぱあと」風雲録』――創業社長はエジプト大好き

柏崎吉一・須藤公明=著
表紙 「駅すぱあと」風雲録
著者 柏崎吉一/須藤公明
出版社 日経BPマーケティング
サイズ 単行本
発売日 2006年03月
価格 1,540円(税込)
ISBN 9784861301537
そこで思いついたのが、年間のメンテナンス費用を先払いしてもらえば、常に最新版を自動送付するというプリペイド方式のビジネスモデルだった。(46ページ)

概要

株式会社ヴァル研究所
株式会社ヴァル研究所
「ぱぴるす」「ナイル」――懐かしい統合ソフトたちである。株式会社ヴァル研究所(東京都杉並区高円寺北2-3-17)は、これらのソフトの開発元、というより、運賃・経路検索ソフト「駅すぱあと」のメーカーといった方が分かりやすいかもしれない。本書は、ヴァル研究所の設立から今日に至るドキュメンタリーである。

ソフトウェア・ビジネスの基本は自社製品であると思う。しかし、食いつないでいくためにはお金が必要だ。そんな厳しいビジネス社会にあって、ヴァル研究所の社員たちは、自社製品を創り、育て、死に際まで看取った経験を持つ。その苦労は並大抵のものではなかっただろう。
出向をさせない社風、規模拡大より顧客を大切にする姿勢――どれをとっても、普通の会社できないことばかりだ。
55歳で急逝した創業社長の島村隆雄氏は、エジプト関係の膨大な量の書籍を所有していた。「ぱぴるす」「ナイル」というネーミングは、社長の趣味であろう。これらは、ピラミッド研究で有名な早稲田大学の吉村作治教授に寄贈されたという。ただ者ではない。
(2006年8月25日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
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