ペーパーステッチロックタワーは針を使わないホチキス

2006年4月購入
ペーパーステッチロック タワー
針を使わないホチキス――この手の文房具は様々な種類があるのだが、価格が安く、デスクに置いておいても邪魔にならない形をしているという2点からペーパーステッチロック タワー を購入した。
色は、透明、青、赤、黒の4色から選べる。今回は職場で使うということで、無難な透明色にしてみた。
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ITによるペーパーレス化が叫ばれる中、実は紙の消費量は増えている。1980年(昭和55年)当時は一人あたり年間153キログラム消費していたものが、2000年(平成12年)には250キログラムになったというデータがある。とくにプリンタ用紙の消費の増加は目を見張るものがある。
パソコンのおかげで提案書や資料も簡単に大量に作れるようになり、文章のページ数は増え、紙の消費量が増えるという悪循環に陥っているのだろう。
この流れ、どうも環境には優しくなさそうである。

さらに、分厚い書類をホチキスで留めるものだから、いくつもの書類をキングファイルに綴じると、ホチキスの部分が出っ張ってしまう。(この点を工夫したホチキスが商品化されている)
さらに、これを廃棄する段階になると、ホチキス部分を取り除いて分別しなければならない(キングファイルですら廃棄を前提とした商品ラインナップ があるというのに)。新人君や事務職さんにとっても優しくない代物である。
また、私は紙の資料を持ち歩くのが重くて嫌なので、もらった紙資料をスキャナで取り込んでPDF化している。会社には、ソーターが付いている頼もしいA3対応スキャナを置いてもらっているのだが、ホチキスを外さないことにはソーターが空回りしてしまう

そんなこんなで、ホチキスの功罪を痛感し、ペーパーステッチロック を購入することにした。
綴じたところ
ペーパーステッチロック の使い方は簡単。本体下部の口のようになっている部分に紙を挟んでボタン部分を押すと、器用に穴を開けて、写真のように綴じてくれる。ただし、最後まで力を入れて押し込まないと、“綴じ”の部分が織り込まれないのでご注意を。
手先の力が弱い方には少々辛いかもしれない。ホチキスのような形状の「ペーパーステッチロックZn 」もあるので、そちらを試してみてほしい。これで、コピー用紙なら4枚程度まで綴じられるという。
4枚というと、ホチキスに比べてかなり少ない。普及している10号ホチキスなら、15~20枚まで綴じられるのだ。

しかし、分厚い資料を相手に渡すことは、果たして良いことだろうか。自己満足になってはいないだろうか。実は、「ズバリ要約」で4枚くらいの資料になってしまうのではないか。
この4枚という制限を好意的に解釈し、これからは、1つの資料はこの範囲内に収めようと思う。
相手も、資料が短ければ集中して読んでくれるだろう。それに、綴じるときにホチキスで指を怪我をすることもないし、廃棄するときにもシュレッダーや溶解処理に出してくれるだけで済む。
相手のことを考え、少しでも優しい仕事をしたいものである。

これは蛇足だが、ホッチキスの由来は定かでないそうだ。1903年(明治36年)、伊藤喜商店(現イトーキ)が最初に輸入販売した製品に「HOTCHKISS No.1」と刻印されていたことから、それが一般的な呼び名になってしまったらしい。英語ではステープラー(stapler)と呼ぶ。
発音しづらいので、私はホチキスと呼んでいる。国語辞典を調べると、どちらも見出し語として載っている。
ホッチキスの商標はとうの昔に失効しているはずだが、特許庁のデータベースを当たったところ、マックス社が2005年(平成17年)に再申請し、2006年(平成18年)に正式登録されている。ただし、医療分野向けの器具に限られているようだ。キヤノンからも理化学分野での商標登録がなされている。
後日、ネット上で、「本体内部に紙くずが入ったが、どうやって取ればいいのか」という問い合わせがあった。販売元のサンスター文具に問い合わせたところ、以下のような回答をいただいた。
お問合せいただきました、ペーパーステッチロックタワーの件ですが商品を開けていただく必要があると思います。 商品の底の部分を、細いドライバーなどでこじ開けていただき(開けるようには作っていないので、こじ開けるのも大変かと思いますが・・)、そうしますと、中にプラスのネジがありますので、そのネジを開けていただくと本体が分解されるようになっております。そうやって取っていただければと思います。 もともと、開けるようには作っていないので、商品が壊れてしまう可能性もありますので、ご了承いただければと思います。
分解は自己責任で。
(この項おわり)
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