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「論理エンジン」が学力を劇的に伸ばす | ||
著者 | 出口汪 | ||
出版社 | PHP研究所 | ||
サイズ | 単行本 |
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発売日 | 2006年10月 | ||
価格 | 1,430円(税込) | ||
ISBN | 9784569656168 |
他者意識のあるところに、論理は自然発生する。だからこそ、子どもたちに他者意識を植え付けることが、まずは大切なのである。(66ページ)
概要

論理エンジンというメソッドは、自分としては、知らず知らずのうちにやってきたことだった――「限られた試験時間のなかで、一場面を分析する試験の場合、当然、ふだんの読書とは異なる読み方が必要となる」(190ページ)とは、まさにその通りで、自分の子どもにもそう教えている。“受験の国語”を突破するには不可欠な能力と言えよう。
しかし、論理エンジンの究極目的は、「他者意識」(66ページ)を大切にすることである。そのための「目標」として「論理エンジン」を獲得するのである。
そして、論理エンジンを獲得して終わりではない。論理を操って他者と意思疎通をはかること――これが目的なのである。

「ゆとり教育」では、他者との意思疎通が重視されている。ならば、論理エンジンは打って付けの手法であったはずである。にもかかわらず、「国語には論理だけでなく、子どもたちの感受性を磨くとか、豊かな想像力を育むとか、ほかにも大切なことがたくさんある」(225ページ)と言う大人がいることは、論理矛盾を来している。
もちろん、論理エンジンは万能ではない。それを扱いきれない子どももいるだろう。論理エンジンは目標に過ぎないのだから、「他者意識」を大切にするという目的を達成でき、その子に合った手段が他にあるなら、それを目標に置き換えてもいいのである。

「ゆとり教育」の目的は正しい。だが現在でも、目標の立て方が揺らいでおり、目的を見失っているような気がしてならない。
しかし、論理エンジンの究極目的は、「他者意識」(66ページ)を大切にすることである。そのための「目標」として「論理エンジン」を獲得するのである。
そして、論理エンジンを獲得して終わりではない。論理を操って他者と意思疎通をはかること――これが目的なのである。

「ゆとり教育」では、他者との意思疎通が重視されている。ならば、論理エンジンは打って付けの手法であったはずである。にもかかわらず、「国語には論理だけでなく、子どもたちの感受性を磨くとか、豊かな想像力を育むとか、ほかにも大切なことがたくさんある」(225ページ)と言う大人がいることは、論理矛盾を来している。
もちろん、論理エンジンは万能ではない。それを扱いきれない子どももいるだろう。論理エンジンは目標に過ぎないのだから、「他者意識」を大切にするという目的を達成でき、その子に合った手段が他にあるなら、それを目標に置き換えてもいいのである。

「ゆとり教育」の目的は正しい。だが現在でも、目標の立て方が揺らいでおり、目的を見失っているような気がしてならない。
(2008年11月20日 読了)
参考サイト
(この項おわり)