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モスラの精神史 | ||
著者 | 小野俊太郎 | ||
出版社 | 講談社 | ||
サイズ | 新書 |
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発売日 | 2007年07月 | ||
価格 | 836円(税込) | ||
ISBN | 9784062879019 |
概要

映画「モスラ」は、太平洋戦争の影響を色濃く残した文学作品である。映画製作のスタッフは戦中世代。皆が何らかの形で南方戦線に関わっていた。だからモスラは南の島からやって来る。
日本でお馴染みのカイコ蛾が巨大化したモスラは、ゴジラやウルトラ怪獣と異なり、肉弾戦ができる身体構造をしていない。モスラは、最初から最後まで双子の小美人(ザ・ピーナッツ)を助けたい一心で動いているだけで、悪いのは人間の方である。

映画のクライマックスがニュー・カーク・シティ(ニューヨーク)ではなく宮崎・高千穂だったというエピソードや、モスラが繭を作って折れた東京タワーの鉄骨に隠された秘密など、よくもここまで調べたものだと感心させられる。

終盤では、昭和版モスラの後継者が平成版モスラではなく王蟲(映画「風の谷のナウシカ」に登場する巨大生物)であるという著者の主張が展開される。それはそうかもしれないが、カイコ蛾に馴染みがない世代としては、ザ・ピーナッツの「モスラの歌」の方が強烈な印象として残っている(本書によると、あの歌詞はインドネシア語だという)。異形の者に対して歌でコミュニケーションを図るという点では、むしろマクロスシリーズの方が後継者にふさわしいのではないだろうか(笑)。

映画のクライマックスがニュー・カーク・シティ(ニューヨーク)ではなく宮崎・高千穂だったというエピソードや、モスラが繭を作って折れた東京タワーの鉄骨に隠された秘密など、よくもここまで調べたものだと感心させられる。

終盤では、昭和版モスラの後継者が平成版モスラではなく王蟲(映画「風の谷のナウシカ」に登場する巨大生物)であるという著者の主張が展開される。それはそうかもしれないが、カイコ蛾に馴染みがない世代としては、ザ・ピーナッツの「モスラの歌」の方が強烈な印象として残っている(本書によると、あの歌詞はインドネシア語だという)。異形の者に対して歌でコミュニケーションを図るという点では、むしろマクロスシリーズの方が後継者にふさわしいのではないだろうか(笑)。
(2009年3月1日 読了)
参考サイト
- モスラの精神史:講談社
- 小野俊太郎@tritonnova:Twitter
(この項おわり)