『高学歴ワーキングプア』――ポスドクはワーキングプア

水月昭道=著
表紙 高学歴ワーキングプア
著者 水月昭道
出版社 光文社
サイズ 新書
発売日 2007年10月
価格 770円(税込)
rakuten
ISBN 9784334034238
大学院重点化というのは、文科省と東大法学部が知恵を出し合って練りに練った、成長後退期においてなおパイを失うまいと執念を燃やす“既得権維持”のための秘策だったのである。(71ページ)

概要

貧乏な人のイラスト
著者の水月昭道さんは、大学院がフリーター生産工場であると指摘する。博士号を持っていても、非常勤講師とコンビニのバイトで月収は15万円というワーキングプアが多い。これが事実だとすると、日本の若年労働層は統計に表れるよりもっと悲惨な状態にある。

彼らは、「自らが生き延びることだけを最優先した『経営優先思考』を学校法人が選択した結果、必然的に生み出された産物」(213ページ)だという。
それならば、ポスドクたちは利他の精神を取り戻し、自らが持つ大量の知識を社会のために還元すればいいのではないかと著者はアドバイスする。
(2010年5月6日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
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