『スパイダー・スター』(上下巻)――天文学者が描くハードSF

マイク・ブラザートン=著
表紙 スパイダー・スター(上)
著者 マイク・ブラザートン/中原尚哉
出版社 早川書房
サイズ 文庫
発売日 2009年05月
価格 858円(税込)
rakuten
ISBN 9784150117108

あらすじ

宇宙のイラスト(背景素材)
人類は、はるか太古に栄えた異星種族の遺跡が数多く残るポルックス星系の惑星アルゴに移民していた。ところが、この移民惑星に突然の災厄が襲った。衛星の遺跡を調査中のチームが、古代の攻撃兵器のスイッチを入れてしまったのだ!
衛星から送られたパルスはポルックス中心部に隠された怖るべき兵器を稼働させ、超高温の塊が次々とアルゴめがけて飛来する。このままでは人類に未来はない。
調査の結果、危機を回避する鍵が伝説の星「スパイダー・スター」にあることがわかり、選ばれた探検隊が宇宙船「ダークハート号」で出発する。

著者のマイク・ブラザートンは現役の天文学者だ。ラムジェットや暗黒物質エンジンなど、天文学者ならではの細かい設定があちこちに見られ、本書をパリパリのハードSFとしている。
(2010年5月8日 読了)
表紙 スパイダー・スター(下)
著者 マイク・ブラザートン/中原尚哉
出版社 早川書房
サイズ 文庫
発売日 2009年05月
価格 858円(税込)
rakuten
ISBN 9784150117115

あらすじ

故郷の惑星を救うため、宇宙線ダークハート号はついにスパイダー・スターに到着した。
伝説のとおり、スパイダー・スターは恒星でも惑星でもなく、中性子星をめぐる軌道上に存在する特異空間であった。一行が、クモの巣のように張りめぐらされた暗黒物質の力場のなかに踏み行っていくと、さまざまな種類の宇宙人に遭遇する。

宇宙人との遭遇というのはハードSFの永遠のテーマである。
最初に遭遇するアルゴノート族は、H.G.ウェルズ「タイムマシン」に登場するモーロックのような好戦的な種族だ。

暗黒物質の性質を巧みに織り交ぜた、テンポのよいハードSF作品である。
(2010年5月8日 読了)
(この項おわり)
header