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「押し紙」という新聞のタブー | ||
著者 | 黒薮哲哉 | ||
出版社 | 宝島社 | ||
サイズ | 新書 |
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発売日 | 2009年10月 | ||
価格 | 712円(税込) | ||
ISBN | 9784796673662 |
日本の新聞社は、紙面の競争よりも部数競争に力点を置き、節度のない拡販競争を繰り広げてきた。(158ページ)
概要

タイトルの「押し紙」とは何か――著者によると「日本全国にある約2万店の新聞販売店に搬入される朝刊の部数は、約4500万部である。しかし、このうちのすべてが配達されているわけではない」(3ページ)という。著者の推定によると、「3割から4割ぐらいの新聞が、誰の目にも触れないまま、販売店の倉庫などで一時保管され、定期的に古紙回収業者のトラックで回収されている可能性がある」このような新聞を「押し紙」という。販売店にノルマとして押し売りされる新聞というニュアンスである。
本書では、新聞販売店店主へのインタビューを通じて、押し紙の割合が異常に多いことを明らかにしている。
本書では、新聞販売店店主へのインタビューを通じて、押し紙の割合が異常に多いことを明らかにしている。
レビュー
本書の「新聞発行部数・世界ランキング」(167ページ)によれば、日本の新聞は海外と比べると飛び抜けて発行部数が多い。この力を背景に、政治をも動かしているという。新聞が再販制度を維持できているのも、その力のおかげだという。

新聞社は、販売店に補助金を給付することで押し紙による損失を補填してきた。だが、そのトリックにも限界がある。新聞を読まない若者が増えている昨今、販売店の経営は急激に悪化しているという。
このままでいくと、ある日突然、新聞というメディアが倒れてしまうかもしれない。連鎖的にテレビやラジオといったマスメディアも立ちゆかなくなるだろう。

新聞社は、販売店に補助金を給付することで押し紙による損失を補填してきた。だが、そのトリックにも限界がある。新聞を読まない若者が増えている昨今、販売店の経営は急激に悪化しているという。
このままでいくと、ある日突然、新聞というメディアが倒れてしまうかもしれない。連鎖的にテレビやラジオといったマスメディアも立ちゆかなくなるだろう。
(2011年3月26日 読了)
参考サイト
- 「押し紙」という新聞のタブー:宝島社
(この項おわり)