『テレビ番外地』――12チャンネルにはテレビの原点がある

石光勝=著
表紙 テレビ番外地
著者 石光勝
出版社 新潮社
サイズ 新書
発売日 2008年11月
価格 748円(税込)
rakuten
ISBN 9784106102882
開局して2年経つと、東京12チャンネルはもう死に体。開店休業の惨状でした。(29ページ)

概要

東京12チャンネル
「東京12チャンネル」(現テレビ東京)といえば、カネもモノもヒトもない。1日4時間しか放送できない時もあったという。視聴率の低さゆえについたあだ名は「番外地」――当時を知る元編成局長が綴る貴重な秘話の数々。

レビュー

お色気路線で視聴率30%台を叩き出した「ハレンチ学園」は、その過激さゆえに放送打ち切り。タモリ、たけし、さんまは、12チャンネルからテレビ界にデビューしたが、あっという間にギャラが高騰し、他局へ活動の場を移す。
思い返せば、朝も夜も砂嵐ばかりだった東京12チャンネル。でも、「チキチキマシン猛レース」「怪獣王ターガン」といった海外アニメを、強烈な日本語訳で放映していたのは東京12チャンネルだった。今でも面白いアニメが多い。
パソコンのプログラムを副音声に乗せてダウンロードできるようにした「パソコンサンデー」も素晴らしいアイデアの番組だった。そして、1993年の「ドーハの悲劇」(サッカーW杯予選)を地上波で中継したのも東京12チャンネルだった。
昭和天皇が崩御した時も、9.11テロが起きた時も、平然と通常放送していた東京12チャンネル。

こんな12チャンネルだから、きっと、地デジ移行後も再編されずに生き残ると思う。他局が一緒に仕事ができるとは思えないから。
12チャンネルには、いつまでもテレビの面白さを伝えてほしい
(2011年2月20日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
header