『プロジェクトを変える12の知恵』

影山明=著
表紙 プロジェクトを変える12の知恵
著者 影山明
出版社 日経BP
サイズ 単行本
発売日 2011年06月
価格 1,980円(税込)
rakuten
ISBN 9784822262464
「やらないこと」を要件定義書に明記する。(188ページ)

概要

ビデオ会議のイラスト
著者は、中堅ソフトハウスを経て、2001年ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズに入社したコンサルタントの影山明さん。ITpro Enterprise Platform「成長へのビタミン」内「ケンブリッジ・ファシリテーション研究所」の全24回連載をもとに書籍化したもの。
プロジェクトで壁に当たったとき、新しいプロジェクトを始めるときに読むと救われる内容ばかりである。

レビュー

プロジェクトを変える12の知恵
日頃、お客様への進捗報告はWBSベースで行っているのだが、「それは進捗を管理するためのツールであって、お客様に説明するためのツールではありません」(98ページ)という。セッション(プロジェクト会議)で行われた意思確認・意思決定をマイルストンにして進めていくのが正解だというのだ。
なるほど正論である。

また、プロジェクトの失敗の原因の多くが上流工程(要件定義など)にあることを示した上で、「『やらないこと』を要件定義書に明記する」(188ページ)ことが必要だという。目から鱗である。
このあとにケンブリッジ独特のファンクショナリ・マトリクス(FM)の作り方が紹介されるのだが、同じようなマトリクスはつくっていたが、『やらないこと』を明記していたとは言いがたい。これを明記することで、プロジェクトの成功率が上がりそうだ。

実際にプロジェクトに携わった経験のある方なら、本書に述べられていることは役に立つはずである。
最後に、本書に紹介されている「80・20」に習えば、本書のすべてを実行する必要はない。自分に任されたプロジェクトの目的に合ったものを選んで活用すればいいだろう。
(2011年10月4日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
header