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海底資源大国ニッポン | ||
著者 | 平 朝彦/辻 喜弘/上田 英之 | ||
出版社 | 角川アスキー総合研究所 | ||
サイズ | 新書 |
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発売日 | 2012年06月11日頃 | ||
価格 | 817円(税込) | ||
ISBN | 9784048705813 |
日本の海の面積は、なんと、世界第6位。日本は、国土だけ見ればちっぽけな島国だが、周りの海に目を向ければ、堂々たる海洋大国なのである。(14ページ)
概要
わが国は、世界第62位の広さの国土に、世界第10位の人口がひしめいている。しかし、「内閣官房総合海洋政策本部によれば、日本の国土の最北端は択捉島カモイワッカ岬、最南端は沖ノ鳥島、最東端は南鳥島、最西端は与那国島西崎」(20ページ)とのこと。このような海に囲まれ島嶼が多いため、排他的経済水域(EEZ)の面積は世界第6位。国土の12倍の海を有する海洋大国である。
著者は、「都市に生活している人は、普段、海の豊かさを実感することはほとんどないかもしれない。だが、海に関するデータを知れば知るほど、日本が本当に豊かな海に固まれていることに気づくのではないだろうか」(21ページ)と記しているが、まさにその通りである。
著者は、「都市に生活している人は、普段、海の豊かさを実感することはほとんどないかもしれない。だが、海に関するデータを知れば知るほど、日本が本当に豊かな海に固まれていることに気づくのではないだろうか」(21ページ)と記しているが、まさにその通りである。
レビュー

日本の排他的経済水域(白い部分)
海洋に眠るエネルギーとしては、メタンハイドレート、石油・天然ガス、鉱物資源としては、海底熱水鉱床、マンガン団塊、コバルト・リッチ・クラスト、レアアース資源泥などがある。
陸上のレアアース鉱床にはウランやトリウムなどの放射性物質が混在しているが、南太平洋上で発見された「レアアース資源泥には、放射性物質がほとんど含まれていない」(151ページ)という。「経済性や安全性の意味でも、開発しやすい資源といえる」。残念ながら公海上での発見であるが、「レアアース資源泥は日本のEEZ内で発見できる可能性もあるという」(107ページ)。
陸上のレアアース鉱床にはウランやトリウムなどの放射性物質が混在しているが、南太平洋上で発見された「レアアース資源泥には、放射性物質がほとんど含まれていない」(151ページ)という。「経済性や安全性の意味でも、開発しやすい資源といえる」。残念ながら公海上での発見であるが、「レアアース資源泥は日本のEEZ内で発見できる可能性もあるという」(107ページ)。
エネルギーと鉱物資源とでは、海底における埋蔵場所が異なる。
「石油・天然ガスが存在しているのは、海底面下2000m以上という深い地面の底であるケースが多い」(140ページ)が、「鉱物資源は、それほど深い土の中に埋まっているわけではない。深くても、せいぜい海底面下100m程度。中にはマンガン団塊のように、海底面に半埋没した状態でごろごろ転がっている場合もある」という。「ただし水深は比較的深めだ。海底熱水鉱床は水深700~2000m、コバルト・リッチ・クラストは水深800~2400m、マンガン団塊に至つては水深4000~6000m付近に存在している」という。

本書は最後に、わが国が閉塞した経済状態から脱するために、「海洋立国」を目指すべきだと語る。「わが国が未来を託して開発すべきニューフロンティアは海洋だ」(185ページ)と結ぶ。
「石油・天然ガスが存在しているのは、海底面下2000m以上という深い地面の底であるケースが多い」(140ページ)が、「鉱物資源は、それほど深い土の中に埋まっているわけではない。深くても、せいぜい海底面下100m程度。中にはマンガン団塊のように、海底面に半埋没した状態でごろごろ転がっている場合もある」という。「ただし水深は比較的深めだ。海底熱水鉱床は水深700~2000m、コバルト・リッチ・クラストは水深800~2400m、マンガン団塊に至つては水深4000~6000m付近に存在している」という。

本書は最後に、わが国が閉塞した経済状態から脱するために、「海洋立国」を目指すべきだと語る。「わが国が未来を託して開発すべきニューフロンティアは海洋だ」(185ページ)と結ぶ。
(2013年5月24日 読了)
参考情報
これね。#EEZ #海底資源大国ニッポン pic.twitter.com/QTIDKcaJN8
— ちょい右おやじ (@cyoimigioyaji) 2019年5月9日
参考サイト
- 海洋鉱物資源の概要:独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
(この項おわり)