『夜間大気光のふしぎ』――オーロラとは違う夜間大気光

塩川和夫・鈴木臣=著
表紙 夜間大気光のふしぎ
著者 塩川和夫/鈴木臣
出版社 幻冬舎メディアコンサルティング
サイズ 単行本
発売日 2018年03月
価格 1,320円(税込)
rakuten
ISBN 9784344914568
街明かりがまったくない山の中にいても、空と山の境界がはっきり見えるのは、夜の空から光が来ているためです。(18ページ)

概要

オレゴン州のクレーターレイクで撮れた天の河と大気光
オレゴン州のクレーターレイクで撮れた天の河と大気光
天体写真を撮影していた頃、背景となる夜空は快晴のはずなのに、なぜか雲のような筋が写っていることがよくあった。当時は気にも留めていなかった。オーロラを観測を行ったことがあるのだが、それとも違う――これが「夜間大気光」である。「街明かりがまったくない山の中にいても、空と山の境界がはっきり見えるのは、夜の空から光が来ているため」(18ページ)という。

レビュー

著者は、オーロラや地磁気の観測研究を続け、夜間大気光を測定する高感度カメラを開発した塩川和夫さんと、『機動戦士ガンダム』の影響で地球科学を志したという鈴木臣さん。

地上から80~400キロメートル上空、密度が地上の10億分の1しかない大気が、太陽の紫外線を受けて発光するのが大気光の基本原理である。
「1990年代になると、カメラのイメージング技術の向上によって、大気光という非常に微弱な光を撮像することが可能になり」(49ページ)、大気光の研究が進んだ。
本書の口絵にカラー写真が掲載されているが、大気重力波、大気潮汐波・惑星波・伝搬性電離層攪乱・赤道域プラズマバブルなど、さまざまな大気光があることが明らかになってきている。
(2018年6月3日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
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