配布ファイルに個人情報を残さない

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Office製品(Word, Excel)やAcrobatで作成したファイルや、デジカメで撮影した写真データなどには、自動的に個人情報が添付されることがある。ファイルをネットなどに掲載する際には、これらの情報を削除した方がいい。

Office 製品における個人情報の扱い

マイクロソフト・オフィス製品に含まれる個人情報
Office製品(Word, Excel, PowerPoint)の場合、初期状態では、インストール時に登録した氏名、所属組織名が、ファイルのプロパティとして記録される。
試しにファイル・エクスプローラでエクセル・ファイルを選択し、右クリックでプロパティを参照してみてほしい。上図のように、作成者、保存社、会社名などの個人情報を見ることができるだろう。

仕事でのファイルのやり取りの場合は、原本認証の意味で、これらの情報を記録しておく必要がある。だが、個人、とくに匿名ネットでのファイルのやり取りの場合は削除しておいた方がいい。

Office XP または 2003 で個人情報を削除する方法

Office 2003/XP アドイン: 隠しデータの削除
まず、Microsoftサイトから「Office 2003/XP アドイン: 隠しデータの削除」をダウンロードして、インストールする。(2021年8月現在、公開終了)
すると、WordやExcelのファイル・メニューに、左図のように「隠しデータの削除」が追加されるので、これを実行する。

Office 2007 で個人情報を削除する方法

Office2007には個人情報を削除する機能が備わっている。
まず、[Microsoft Office]ボタン-[配布準備]-[ドキュメント検査]を実行する。すると上図のような画面になるので、[検査]ボタンをクリックして検査する。この時点では検査が行われるだけである。
Office 2007: ドキュメント検査
検査が終わると下図のような画面になるので、「ドキュメントのプロパティと個人情報」を[すべて削除]する。
Office 2007: ドキュメント検査

Office 2010 で個人情報を削除する方法

Office 2010/2013 にも個人情報を削除する機能が備わっている。
プロパティなどの情報を削除したい文書をOffice 2010/2013で開いたら、[ファイル]タブの[情報]メニューを開く。[問題のチェック]アイコンをクリックし、表示されたメニューから[ドキュメント検査]を選択する。

あとの作業はOffice 2007と同じである。
Office 2010: ドキュメント検査

Acrobat の場合

アクロバットに含まれる個人情報
Adobe Acrobatの場合も、Office製品と同様、ファイルのプロパティに個人情報が記録される。
Acrobatで削除することができるが、無償配布されているAdobe Readerでは削除できない。
また、PDFファイルを作成ツールが販売されているが、これらのツールを使った場合、プロパティに個人情報が記録されるのかどうか確認しておく必要がある。

Acrobatで機密情報屋個人情報を墨塗したい場合は、「PDFの黒塗りにご注意」を参考にしていただきたい。手順を間違えると、墨塗したはずの情報が見られてしまうことがあるからだ。

写真(JPEG)の場合

デジカメで撮影した画像ファイルでJPEGの場合、EXIFというタグ情報領域があり、多くの場合、カメラのメーカー名、製品名、撮影日時などの記録される。
さらにGPSを搭載した携帯電話、スマートフォン、デジカメで撮影すると、撮影場所が登録されることがある。

これらの情報を削除したいときには、フリーソフトの「JPEG Cleaner」(Windows用)や「ExifWriter」(Mac用)を使うといい。

動画や音声の場合

動画や音声のファイルにもタグ情報領域があり、個人情報(著作権情報)を埋め込むできるようになっている。
これらのマルチメディアファイルを作成したアプリケーションの説明書をよく読み、必要に応じて個人情報を削除するようにしよう。

参考サイト

(この項おわり)
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