振り込め詐欺と発信者電話番号の偽装

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ナンバーディスプレイや携帯電話で発信者の電話番号を確認し、知らない電話には出ないようにしている人が多いと思います。ところが、この発信者電話番号を偽装することで詐欺被害が出ています。

海外コールバック・システムを悪用か?

発信者電話番号を偽装
長野県警によると、2005年(平成17年)1月20日、被害者の携帯電話に自宅の電話番号を偽装表示させ、誘拐や強盗を装って現金を要求するという「振り込め詐欺(オレオレ詐欺)」未遂事件が起こったそうです。

また、同様の手口で警察署の電話番号を装って電話をかけ、事故などの示談金を要求する振り込め詐欺の手口も各地で発生しているそうです。
2024年(令和6年)3月31日にも、福岡県内で、警察の電話番号として使われている番号がスマートフォンに表示され、約800万円を騙し取られる事件がありました。
電話の発信者番号は偽装できる?」(日経クロステック)によると、どうやら本当に偽装できてしまうようです。また、携帯キャリア各社も利用者に対して注意を喚起していることことから、偽装が可能であることが確認されています。こうした偽装は、海外のコールバック・システムを悪用しているのではないかと考えられています。

国際電話の料金請求を代替してもらうために使うコールバック・システムに対し、発信者の番号を偽ることで、受信者は偽装番号を受け取ってしまう現象が確認されています。
ただし、同じ携帯電話会社どうしでは、この方法では偽装できないという情報もあります。

電気通信事業者協会(TCA)では2005年(平成17年)2月、「発信者電話番号偽装表示対策検討部会」を設置し、技術/設備の両面から発信番号偽装表示への対策を検討してきました。その成果を「発信者番号偽装表示対策ガイドライン」としてまとめ、7月1日に発表しました。
その中では、「事業者共通で行うべき対策」「事業者が個々に自主的に行うべき対策」を、国際中継系や地域系など、事業提供形態に応じて規定しています。

TCAでは、このガイドラインを下敷きに関係団体との連携を進め、TCAの会員事業者以外での対策も推進していく方針です。ただし、悪用を避けるためガイドライン自体は原則非公開とするそうです。

対策は

このような振り込め詐欺への対策はどうすればよいでしょうか。

たとえ知っている電話番号であっても、金銭や個人情報を要求してくるようだったら、あらためて、こちらから相手にかけ直すというのが確実です。
発信者があなたの家族の携帯電話番号で、事件に巻き込まれたという電話がかかってきたとしても、けっして慌てないでください。落ち着いて、「念のため、こちらから電話をかけ直します」と断って、いったん電話を切りましょう。

こうした手順を、あなたの子供や、実家のご両親にも伝えておきましょう。
ナンバーディスプレイや携帯電話の液晶に、あなたの名前が表示されても、それが他人の声だったら、かならず「かけ直す」ことをしましょう。

参考サイト

(この項おわり)
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