マイナンバー制度スタート

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マイナンバー(社会保障・税番号制度)は、住民票を持つすべての住民に 1 人 1 つの番号を提供し、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために、2015 年(平成 27 年)11 月から配布が始まりました。
日本郵便が専用の書留郵便で各家庭に通知カードを配布します。今後、給与の受け取りや社会保障を受けるために必要になりますので、通知カードを受け取ったら、無くさないように保存してください。

マイナンバー制定の経緯については、「マイナンバー制度とは何か」をご覧ください。

目次

通知カードを受け取る

通知カード
マイナンバーは、2015 年(平成 27 年)11 月から 12 月にかけ、日本郵便が専用の簡易書留で各家庭に通知カードという、左図のような紙のカードを配布します。書留の受け取りには印鑑が必要です。
通知カードの大きな写真大きな写真
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もし郵便受けに不在票が入っていたら、電話で再配達を依頼するか、郵便局に受け取りに行きましょう。郵便局での受け取りには、身分証明書(運転免許証、健康保険証など)と印鑑が必要になります。

通知カードの配達状況は自治体によって異なります。
各自治体のホームページに掲載されています。また、地方公共団体情報システム機構のサイト「個人番号カード総合サイト/通知カードの郵便局への差出し状況」や日本郵便のサイト「マイナンバー通知カード在中郵便物の配達状況」で確認することができます。

マイナンバーは 12 桁の番号です。番号を見ただけでは、どうやって付番されているのか知ることはできません。家族の間でもまるで違う番号が振られています。
一度発行されたマイナンバーは、原則として変更することができません。通知カードは紛失しないよう大切に保管してください。

マイナンバーカードを申請する

通知カードに「マイナンバーカード」(個人番号カード)の申請方法が同封されています。

マイナンバーカードは下図のようなプラスチック製のカードで、運転免許証などと同様、身分証明書としての効力があります。発行は無料で、郵送・インターネットで申請することができます。2016 年(平成 28 年)からは、街中に設置されている証明写真機で作成することもできるようになります。
マイナンバーカード
カードの表面には、氏名、住所、生年月日、性別、顔写真、そしてカードの有効期限が記載されています。顔写真は変化するので、20 歳以上は 10 年更新、20 歳未満は 5 年更新となっています。
初回発行は無料ですが、紛失などによる再発行は有料です。

カードの裏面には、マイナンバーと IC チップ接触面があります。
身分証明書として提示するのは表面だけです。裏面に記載されているマイナンバーを知らせる必要はありません。裏面のマイナンバーを盗まれないようにするため、マイナンバーカードを他人に手渡してはいけません

マイナンバーの用途:サラリーマンの場合

サラリーマン
勤務先の会社が健康保険や雇用保険、年金の手続きに必要となるため、マイナンバーを会社に提出します。年末調整などで必要になるので、扶養家族のマイナンバーも提出します。
提出先と提出時期は、会社から説明があるはずですが、個人番号関係事務実施者という専門の担当者が任命されています。この担当者に提出します。マイナンバーは特別な個人情報ですので、上司と言えども知ることはできません。かならず個人番号関係事務実施者に提出してください。
会社によっては、専用の PC アプリやスマホアプリを使って提出する形になっています。

マイナンバーの用途:学生・主婦・保護者の場合

主婦
パートやアルバイト先の会社が健康保険や雇用保険、年金の手続きに必要となるため、マイナンバーを会社に提出します。
提出先と提出時期は、会社から説明があるはずですが、個人番号関係事務実施者という専門の担当者が任命されています。この担当者に提出します。注意事項としては、上述の「サラリーマンの場合」と同じです。
学生の方は、奨学金の申請時に学校に提出します。
保護者の方は、児童手当や子どもの予防接種の時に、市町村役場に提出します。

マイナンバーの用途:高齢者の場合

高齢者
年金給付の時、年金事務所に提出します。
福祉・介護サービス利用時に、市町村役場に提出します。

マイナンバーの用途:災害時支援

災害時支援
災害時支援を受ける時、市町村役場に提出します。

預金口座とマイナンバーを紐付けるため、2018 年(平成 30 年)から任意ですが、金融機関に提出する形になります。2021 年(令和 3 年)からは義務化されるとも言われています。
今回、医療分野への適用は見送られましたが、公的に実施される予防接種、特定健診・特定保健指導の際にはマイナンバーの定時が必要となります。

マイナンバーの漏洩リスクと罰則

分散管理のイメージ - マイナンバー
マイナンバーが漏洩すると、銀行口座から預金が引き出されたり、医療情報が知られてしまうという言説が流れていますが、現在のマイナンバーの仕組みでは、マイナンバーが漏れただけでは個人情報を知ることはできません
個人情報は、自治体や年金機構などの組織に分散管理されており、マイナンバーだけではそれらを参照することができないためです。
とはいうものの、マイナンバーを盗んだり漏らした場合には、いわゆる番号法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)により、懲役や罰金などの厳しい刑事罰(最高で 4 年以下の懲役または 200 万円以下の罰金)に処せられます。
悪意がなくても、仕事などでマイナンバーを取り扱う方は注意が必要です。

自分のマイナンバーをむやみに公開することもルール違反です。
特定個人情報保護委員会は、2015 年(平成 27 年)10 月 27 日、自身のマイナンバーをブログに公開した男性とサイト運営会社に対し、ネット上にマイナンバーを公開することはマイナンバー法に違反する疑いがあるとして、ブログから削除するように要請しました。番号法第19 条の目的にそわないというのが、その理由です。

また、「通知カードを受け取ると義務が発生します」として、受け取りを拒否することを勧める弁護士もいますが、これも間違いです。前述のように、会社が税金は保険の手続きで必要になりますので、マイナンバーを提示しないと会社に迷惑をかけることになります。

マイナンバー詐欺

前述の通り、マイナンバーが漏れただけでは個人情報を知ることはできませんが、詐欺師は、マイナンバーを漏洩したことは罪になるとして、弁護士費用などを振り込ませる手口で金を巻き上げようとしています。注意して下さい。
また、「マイナンバー通知カードが届いているか」と訪問し、「1 万 5 千円支払えば 2 時間以内に宅配で送る」と言われ、お金を払ってしまうという訪問型詐欺も出ているといいます。

マイナンバーが健康保険証に

マイナンバーが健康保険証に
政府は、2018 年度にマイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにする方針です。

医療機関では、転職や離職などに伴って失効した保険証が示されてもすぐに分からず、後で失効が判明するケースも少なくありません。患者が加入している保険の種類が瞬時に確認できれば、こうした事態を防ぐことができるとしています。
マイナンバーカードへの対応が整った医療機関では、専用機にカードを通せば、保険証がなくても診察や薬の処方を受けられるようになります。医療機関から診療報酬の請求を受ける審査支払機関が、健康保険組合などの委託を受け、システム上で保険の資格確認ができるようにしておき、医療機関からの照会に答える仕組みです。

厚生労働省は、2017 年度当初予算案に、システム構築の関連費用などとして 243 億円を計上しました。
関係部署の調整が付かず、マンナンバーの保険証への利用は遅れています。
2019 年(平成 31 年)2 月、官房長官がマイナンバーカードを健康保険証として利用可能にするよう関係閣僚に検討を指示したと報じられましたが、日本医師会は「事実誤認」と指摘し、正しい内容の報道を求めています。
2019 年(令和元年)6 月 4 日、首相官邸でデジタル・ガバメント閣僚会議を開き、マイナンバーカードの普及に向けた総合的な対策を決めました。2021 年(令和 3 年)3 月から健康保険証として利用できるようにし、2022 年度中に、全国のほぼすべての医療機関が対応するようシステムの整備を支援します。また、2021 年(令和 3 年)分の確定申告からは、マイナンバーカードを使って医療費控除の手続きもできるようにします。
オンラインで資格を確認するため、失効した保険証の不正利用などを防ぐ効果もあるとしています。
2021 年(令和 3 年)3 月からは、政府の運営サイト「マイナポータル」上で特定健康診査(メタボ健診)の情報、同年 10 月からは過去の投薬履歴を見ることができるようにします。

135万通が届かず

マイナンバー制度がスタートして 1 年が経過した 2016 年(平成 28 年)11 月現在、全国の自治体に保管されたままの通知カードが約 135 万通にのぼります。
これまでの発送数は 6 千万通超に上るが、転送不要とされたため、住民票の住所から転居していた場合などは各市区町村に返送されました。一部の自治体で一時、配布のために定められた措置が取られていませんでした。
2017 年(平成 29 年)2 月 16 日に受け付けが始まった所得税の確定申告では、今年からマイナンバーの記載が義務づけられます。国税庁などは把握していない人は早期に確認するよう呼びかけています。

東京都杉並区では、約 30 万世帯に通知カードを送付したが、5 万通以上が戻ってきました。その後、丹念に転居先の調査などをし、約 3 万通は受け渡しに成功しました。区外への転出や死亡が判明した約 1 万通は廃棄しました。
保管する約 9 千通のうち、住民票の住所に住んでいないとみられるのは約 1500通といいます。高齢者で施設に入ったままの状態などが考えられます。残りは、住民票の住所に住んでいるが何らかの理由で受け取っていないケースなどとみています。

会計検査院では、852 市区町村について通知カードの交付状況を調べました。すると、2 割以上の 209 市区町村で、戻ってきた通知カードについて転居先の調査などを行っていなかったことがわかりました。その理由として、市区町村は人手不足や多忙などを挙げたそうです。

また、マイナンバーカードの普及も進んでいません。2017 年(平成 29 年)2 月現在、交付済みのマイナンバーカードは約 1039 万枚です。

医療機関では、転職や離職などに伴って失効した保険証が示されてもすぐに分からず、後で失効が判明するケースも少なくありません。患者が加入している保険の種類が瞬時に確認できれば、こうした事態を防ぐことができるとしています。

年金機構と自治体の間で情報共有へ

2017 年(平成 29 年)11 月 10 日、マイナンバーを年金事務に活用できるようにする政令が閣議決定されました。2018 年(平成 30 年)1 月から試行開始、3 月以降に本格移行する予定です。
日本年金機構と自治体の間で情報共有し、自治体で各種手当の申請を行う際に年金書類を持参したり、年金事務所での手続きに課税証明書を持参したりするのが不要になるといいます。
年金機構では、2015 年(平成 27 年)の個人情報流出問題を受けマイナンバーの活用が遅れていました。

マイナンバーの漏洩事故が増加

個人情報保護委員会の 2017 年度報告によると、マイナンバーの漏洩や誤廃棄が計374 件あり、2016 年度の 165 件から 2.3 倍に急増しました。374 件の内訳は、地方自治体 270 件、国の行政機関や法人 11 件、民間事業者93 件でした。
2017 年度から住民税特別徴収税額の決定通知書にマイナンバーが記載されるようになり、この通知書の誤送付が増加の主因と考えられるといいます。

マイナンバーの再発行手続き

通知カードを紛失してしまった場合ですが、マイナンバー再発行の可否は自治体に委ねられています。まずはお住まいの市町村役場に相談してください。

たとえば武蔵野市の場合、市民課や市政センターで再発行申請申請を受け付けており、通知カードの再発行は無料ですが、マイナンバーカードの再発行には手数料 500 円がかかります。本人確認書類とマイナンバーカードまたは通知カード、それと遺失物届けの写し等不正利用の恐れを証明する書類が必要です。

マイナンバーの変更手続き

マイナンバーが漏洩するなどして変更したい場合ですが、変更可否の判断は自治体に委ねられています。まずはお住まいの市町村役場に相談してください。

たとえば武蔵野市の場合、市民課が変更申請を受け付けており、手数料 500 円がかかります。本人確認書類とマイナンバーカードまたは通知カード、それと不正利用の恐れを証明する書類が必要です。

「通知カード」廃止を検討

政府は、「行政手続オンライン化法」を 2019 年(平成 31 年)3 月中に国会に提出し、通知カードの廃止を目指します。交付率が 12%と低迷しているマイナンバーカードの普及を促進する狙いがあるようです。

参考サイト

(この項おわり)
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