名刺入れは個人情報データベース

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名刺のイラスト
個人情報保護委員会によると、名刺を五十音順に並べたり、検索しやすいように整理したものは「個人情報データベース」になるとされています。
パソコンの中の名刺データベースはもちろんのこと、多くのビジネスマンが机の上や引き出しの中に入れている名刺入れも「個人情報データベース」なのです。取り扱いには十分に気をつけなければなりません。

あなたに課せられた責任

あなたが名刺入れに整理している名刺は数十枚程度かもしれません。
個人情報保護法は5,000件以上の個人情報を対象としているので、あなたが個人事業者であれば問題はないでしょう。
しかし、個人情報は会社全体としてカウントされるので、たとえあなたが持っている名刺の数が少なくても、全社員が持っている名刺の数を累計すれば5,000枚は超えるでしょう。あなたの名刺入れは、会社全体の名刺データベースの一部とみなされますから、責任をもって管理しなければなりません。

責任の分担

このように名刺入れは個人情報データベース扱いになりますから、管理責任者である会社の方から、名刺入れの管理方法についての指示があると思います。もし無ければ、法務担当に確認しましょう。
あなたは会社から任されて名刺を管理していく形になりますから、その責任を果たす義務があります。
会社として方針が定まっていない場合は、名刺入れの在処や管理方法について、上司に報告すべきです。これによって、あなたは会社に説明責任を果たしたことになり、会社と責任を分担することになります。

名刺の管理について

会社として名刺の管理方法が決まっている場合は、それに従ってください。ここでは、管理方法が決まっていない場合の一般論をご紹介します。

まず、名刺入れは、離席時や退社時には鍵がかかる引き出しにしまいましょう。
会社で一緒に働いている人を疑うわけではありませんが、あなたが個人情報を管理する責任を負っているという立場を考えるならば、確実に目の届く範囲で管理しなければなりません。目が届かない場合には施錠すべきです。

名刺をスキャナで取り込んだりして電子化している方も多いと思います。この場合、電子化ファイルやデータベースは1本に絞り、かならず暗号化してください。
たとえばネット上にや自宅のパソコンにコピーを置くことは便利かもしれませんが、コピーが増えれば増えるほど管理が面倒になりますし、流出の危険性も高くなります。原本1本に絞り込み、バックアップは会社のしかるべき場所に置くようにしてください。

名刺から抽出したメールアドレスや携帯電話番号を入れたアドレス帳も、もちろん個人情報データベースです。これらの管理にも注意してください。
アドレス帳ファイルを別に持たず、名刺データベースで一元管理するのが望ましいです。(名刺データベースと連動できるメーラを使うのが無難です)

名刺データベースやアドレス帳を印刷することもあると思いますが、不要になった場合には速やかにシュレッダにかけましょう。くれぐれもゴミ箱に捨てるようなことは無いように。

アドレス帳を入れた手帳や携帯電話は持ち歩かざる得ないと思いますが、その扱いには十分に注意しましょう。外出先では必ず身につけておきましょう。
男性なら内ポケットに、女性はポシェットに入れるなどして、常に携行しましょう。また、携帯のアドレス帳には、パスワードを書けるくらいの配慮はしてください。
よく、レストランや喫茶店のテーブルに手帳や携帯電話を置いて離席するビジネスマンがいますが、これは最悪です。

会社の名刺管理ルールがない場合、ここで紹介した手順を明記して、自分はこうして名刺管理をしていますと言うことを上司に報告しておきましょう。これも責任の分担になります。

それでも漏れてしまった場合、あなたの責任は?

個人情報保護法は、違反した場合には会社に罰則が課される法律です。従業員には直接罰は及びません。
しかし、会社の名刺管理ルールに違反していて漏れてしまった場合、最悪の場合、あなたは背任行為に問われることになります。上司とよく相談して、責任分担を果たすようにしてください。

参考サイト

(この項おわり)
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